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【映画の感想】『八日目の蝉』(2016年、日本)

   

以前友人と映画『ソロモンの偽証』前後編の感想を言い合っていた時に、『八日目の蝉』が面白いと教えてもらった。

『ソロモンの偽証』と同じ、成島 出(なるしま いずる)監督の映画『八日目の蝉』は、赤ん坊を誘拐した希和子(永作 博美)がそのまま赤ん坊を育てるというお話。

誘拐犯の永作博美の、母親の表情になんとも言えない気持ちにさせられる映画だった。

オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

どんな話なの?

不倫相手秋山 丈博(田中 哲司)との子を堕胎した野々宮 希和子(永作 博美)。ある雨の日、希和子は丈博とその妻恵津子の赤ん坊恵理菜を誘拐する。

冒頭、赤ん坊誘拐の罪で逮捕された希和子と赤ん坊を奪われた本当の母親である恵津子が裁判で証言するシーンから始まる。

赤ん坊の恵理菜を誘拐後、東京を離れ、逮捕されるまでの希和子の逃避行パート。そして、事件から18年が経ち成人した恵理菜が希和子に誘拐された4年間の足取りを追う恵理子の自分探しパート。この2つの時間軸が交差しながら希和子と恵理菜、そしてこの誘拐事件に関わった人物たちの苦悩や葛藤が描かれていく。

 

感想(以下、ネタバレ)

観ていて、非常にしんどい映画だった。

いや、それは映画自体が悪いという意味ではなく、胸をえぐられるような、心を揺さぶられれる映画という意味で。

もうね、希和子の逮捕される最後のクライマックス、引き裂かれる母と子の涙はもう見てらんないよと思うほどに辛い。希和子の薫(恵理菜)に対する母親の愛情は本物なのだと感じられるこのシーン。

これが誘拐した子でなければ・・・と思いたくなってしまうほどに母親の愛情というものに感動してしまうのだけれども・・・。

でもだからこそ誘拐をしたのだという事実が重くのしかかり、よりこのシーンを辛く感じさせている。

結局スタートが間違ってるんですよ。誘拐をした時点でこの結末は起こるべくして起こるわけで。いや、そんなことは逃避行をしていた希和子自身が十分にわかっているのだけれども、後に引き返せない、前に進むしかない。いつか薫(恵理菜)との別れが来ると感じつつ・・・。

4年で逮捕されると冒頭で明かされているので、希和子と恵理菜が親子の絆を深めていくのがとにかく辛い。この4年間の希和子の逃避行の中で最も幸せを感じたであろう海を背景に2人でくすぐり合う姿がどうしようもなく切なく見えた。

 

そして、誘拐事件から18年後の恵理菜の自分探しパートもしんどい。誘拐事件のせいで実の両親とは上手くいかず、回りからは好機の目で見られ育ってきたためか信頼できる友人が1人もおらず、心の救いとなっているのが妻子持ちの岸田(劇団ひとり)のみ。不倫相手の劇団ひとりの子供を妊娠してしまい、皮肉なことにも憎き希和子と同じ境遇に陥ってしまっている。

こんな生き方になってしまったのも希和子のせいであり、誘拐事件のせいなわけだけど、フリーライター兼ニートの安藤千草(小池栄子)との出会いで大きく変わる。ただね、この安藤千草も序盤から挙動不審でオカシイと思っていたら、恵理菜と同じく幼少期をエンジェルハウスで過ごし、普通の家庭を知らない、人とうまくコミュニケーションが取れない人物だと明らかになる。

でも、この千草の存在が思いのほか重要な部分で、恵理菜の心の支えが上手いこと岸田から千草へと移ったように思う。

 

っていうか、ここまで書いてきてずっと言いたくて我慢していたのだが、結局この映画の一番の悪は、恵理菜の父親である丈博なわけですよ。そして、恵理菜を妊娠させた岸田だ。岸田は妊娠のことを知らなかったが、丈博は希和子が妊娠したのを知っている上で堕胎させた。コイツが一番の悪だ。

丈博が不倫しなかったら恵理菜は、また別の人生を歩めていたはずだし、普通の家族の幸せというものを感じられただろう。そして恵理菜の妻恵津子も母親としての幸せを感じられたはず。

恵津子さんよ、責めるなら恵理菜じゃなく丈博だろ。あのヒステリーは丈博にぶつけるべきだろ。

この恵津子さんも本来なら丈博&希和子の被害者であるのだけど、裁判の法廷で希和子に「死ね」と言ったり、堕胎した希和子を電話になじったりと、ちょっと人間性を疑ってしまう部分もあるので、あまり好感は持てなかった。

 

誘拐事件の被害者で唯一、罪がない恵理菜が1番苦しんでいるように思う。

ただそんな恵理菜だけど、ラストに今まで希和子と過ごした幸せだった記憶を思い出し、今まで受け入れられなかった希和子の愛情を受け入れ、自分もお腹の子にも希和子と同じくらい愛情を注いてでいこうとする姿には、この映画で唯一の救いを感じられる感動のシーンだと思った。

今まで受けれちゃだめだと思っていた希和子との島での生活が、なによりも恵理菜が求めていたものだったっていうラストのオチは、良かった。やはり恵理菜にとっての母親は希和子だったんだなとわかった瞬間だ。

 

ただね。そうはゆうても希和子は結局越えちゃいけない一線を越えた誘拐犯。そしてその誘拐犯を作り上げた丈博は1番のワル。なぜ希和子だけが社会的制裁を受けるのか。丈博もどうせなら逮捕されてしまえばいいのに。そう思ってしまった。

 

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