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【映画の感想】『鬼はさまよう』原題 [ 살인의뢰(殺人依頼)](2016年、韓国)

   

もしも最愛の家族が殺されてしまったら何を考えるだろうか?そして、どんな行動を取るであろうか?

それも殺された自分の家族になんの落ち度もなく、殺した犯人が人を殺すのが好きで好きでたまらない快楽殺人鬼だったら?

そんなことを考えさせる非常に重たい韓国映画『鬼はさまよう』を鑑賞した。普段はあまり韓国映画を観ないのだが、『鬼はさまよう』はかなり見応えのある映画だった。韓国映画を舐めていました。ごめんなさい。

オススメ度:★★★★★★★★★☆ ★9点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

どんな話なの?

連続失踪事件が世を騒がせ、手がかりを必死で探す韓国警察に所属する主人公の刑事テス(キム・サンギョン)。警察署では上司が失踪事件の捜査にいきり立っているのとは対照的に、テスは職務中に後輩にビリヤードに行こうと誘うがたしなめられる。そんな職務に不真面目なテスだったが、持ち前の感の鋭さで連続失踪事件、もとい連続殺人事件の犯人であるガンチョン(パク・ソンウン)を逮捕する。

署内で上司にも褒められ、有頂天となるテスだったがガンチョンの逮捕時に拾ったスマートフォンがテスの妹スギョン(ユン・スンア)の物だと判明し、ガンチョンに殺されていたことを知る。

テスは取調室で妹の居場所をガンチョンに問い詰めるが、ガンチョンは冷たく「自分で探せ」と言い放つ。

その頃、スギョンの夫であるスンヒョン(キム・ソンギュン)は、仕事を終えスンヒョンの帰りを待っていた。先ほど電話した時にスギョンから兄と3人で夕食をしようと言われ、また大事な話があるとも言われていた。

そんなスンヒョンの元に血相を変えた兄のテスが家に現れる。テスの様子に全てを悟るスンヒョン。

こうして2人は絶望に叩き落される。

それから3年後、妹の死に苦悩する兄テスと復讐の鬼と化した夫スンヒョン。そして獄中でのうのうと暮らす殺人鬼ガンチョン。三つ巴の戦いが始まるのだった・・・。

 

原題は『살인의뢰(殺人依頼)だが、邦題は『鬼はさまよう』。映画の内容的に原題の方はストーリーでのある出来事に対するひっかけなんだろうなと思いつつも、放題の『鬼はさまよう』の方がしっくりくる。

劇中に登場する復讐の鬼スンヒョンと殺人の鬼ガンチョン、そして2人を追う刑事テス。文字通りさまよう鬼たちの行き着く先をラストに目の当たりにすることになる。

冒頭、優しそうでおよそスポーツも出来なさそうな軟弱男に見えるスンヒョンが事件から3年の月日で変わり果てる姿に、家族を殺された人間がここまで変わるものなのかと胸がつまる思いになる。

殺人は絶対悪だけども、それでも獄中でまったく反省もせずに3年間のうのうと暮らすガンチョンを見て、どうかスンヒョンが苦しみから解放されてほしい、ガンチョンの首を討ち取って欲しいと思わずにはいられない悲しい物語だ。

感想(以下、ネタバレ)

とにかく話が重い。そして観ていてつらい。そんな映画だ。

自分の家族がもしも殺されたらと思うと、スンヒョンの行動には強く共感できる一方で、他に心の支えとなるものを見つけてくれと願わずにはいられない話だった。

それにしても最初から最後まで殺人鬼であるガンチョンには腹が煮えくり返りそうになるくらい苛立ってしまう。いったいコイツ今までどんな生き方してきたんだよ!って思うんだけど、ガンチョンがなぜ殺人鬼になったのかバックボーンを語られることはなく、あくまでも家族を殺されてしまったテスやスンヒョン、遺族にスポットを当ててストーリーが進行していく。

ぶっちゃけ主人公のテスも冒頭は職務怠慢で不真面目でいい加減奴だなあって思ってたけど、妹が殺されてからの展開に一気に感情移入してしまった。妹思いの良い兄貴だったのね。

事件から3年経過して、ヤクザの組長が殺害された事件を追うテスだったが、この事件の犯人がスンヒョンだということが判明。途中、スンヒョンの家にテスが行った時にスンヒョンが犯人だと気づくわけだけど、展開が急すぎて僕はわけがわからなかった。

黒のキャップでなぜテスがスンヒョンだと気付いたのか?いやいや、いくらなんでも勘が良すぎだろうと思っていたら、葬式の監視カメラにスンヒョンが写っていたことで、ようやくこちらにも話の筋が見えてくる。ちょっと唐突すぎる展開ですわ。

獄中にいる殺されたヤクザの組長に恨みを持つ元組長とガンチョン、スンヒョンが取引をして元組長にガンチョンを殺させようとしたのではないかと話を見ていると、実はガンチョンを殺すことではなくガンチョンを病院送りにすることが取引の内容だったということが後の展開で判明する。このあたりが原題のひっかけなんだろうなと思った。

そしてスンヒョンは病院からガンチョンの拉致に成功し、テスがスンヒョンと拉致されたガンチョンを追うクライマックスへ。

 

結束バンドで手を縛られていたガンチョンを後はどう料理するか、妹の亡骸を見つけた後どうやってスンヒョンがガンチョンをぶちのめすかを期待するも、見事に裏切られガンチョンに返り討ちになってしまうスンヒョン。

ここのシーンの緊張感はハンパない。

獄中でもナイフの達人と言われていた元ヤクザの親分と全裸で応戦し返り討ちにしたガンチョン、そして3年間の間に自宅で筋トレに励み屈強な肉体と復讐心を育ててきたスンヒョン。結束バンドで手を縛られたとしても、これまでの修羅場を乗り越えてきたガンチョンは油断できない。スンヒョンが復讐を果たすのか、ガンチョンがスンヒョンを倒すのかどちらも有りうる思わせる緊張感あるシーンだった。

結局は僕の期待を裏切り、ガンチョンに無残に殺されてしまうスンヒョン。そして遅れて追いかけてきたテスにガンチョンから聞き出した妹の居場所を告げるスンヒョン。この時のテスの表情、リアクションに本当に涙が出た。このシーンでテスの義弟スンヒョンに対する愛情を知ることとなる。

大切な妹だけでなく、義弟スンヒョンまでガンチョンに奪われるテス。

最終的に殺人の鬼と復讐の鬼によって主人公のテスも鬼と化してしまうラストは、なんとも言えない後味の悪さを残す。

それにしても殺される時もニヤリと笑うガンチョンは、悪魔に見える。ただ、今回このガンチョンについてのバックボーンが一切明かされず、どうやったらこんな悪魔みたいな人間のが生まれるのか・・・。個人的には、ガンチョンの生い立ちでもう1本映画を作ってもらいたい。

必ず観るから!

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