【映画の感想】『ソロモンの偽証 後篇・裁判』(2015年、日本)

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前篇に引き続き、ソロモンの偽証 後編・裁判を観賞した。
あれだけ前篇で盛り上げておいて面白くないわけがない!!

前篇感想:【映画の感想】『ソロモンの偽証 前篇・事件』(2015年、日本)

オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の最後で見出しに”感想(ネタバレ)”と書かれているところでネタバレしています。

 

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どんな映画?

『ソロモンの偽証 前篇・事件』の後篇。いよいよここから校内裁判の幕が開ける。

前篇で散りばめられた謎の真相が次々と明かされていく。一体誰が嘘をついているのか?柏木くんはどうやって転落死したのか?松子の事故の経緯は?校内裁判によって明かされる真実とは?あれだけ前篇で盛り上げておいて面白くないわけがない!少なくとも僕はそういう気持ちで観賞しました。

 

オススメポイント

伏線の回収

柏木君がなぜ死んだのか?松子が事故に遭う前になにがあったのか?最後まで観ればこれまでの事件の経緯、謎が解かれます。
また、謎解きの前でわかるかわからないかの大きなヒントを与えながら話を進めていくのは良いですね。そのおかげで話に引き込まれ次のシーンを観たくさせます。

開廷前の塚地

前篇で愛娘松子を失った父役の塚地。この男泣かせてくれます。

藤野涼子に目が離せない

正義感が強く、クールで純真無垢な涼子が、観客と同じ目線に立ち、話を進めていきます。ある人物の言動に「疑念」を抱き、「嘘」を見抜くシーンは良かったです。校内裁判を開くため強い決意と共に行動を起こし、成長していく彼女の姿に思わず引き込まれていきます。真実を目の当たりにしたら傷つくかもしれない。それでも強い意志で真実を追求し、校内裁判の行き着く先にあるものは・・・。

謎多き他校生、神原くん

他校生でありながら、彼がなぜここまでこの裁判に固執するのかようやくわかります。不良少年大出くんの弁護人でありながら大出くんを厳しく追及します。いじめられた子たちの気持ちを代弁してくれるシーン、観る者全てが応援する事でしょう、「もっとやれ」と。今作一番のスカッとジャパンなシーンです。

 

感想(ネタバレ)

大出君は屑だけど、無罪だ

神原弁護人の言い放つ名台詞。確かにその通りだ。柏木くんを屋上から突き落とした罪があるかないかで言えば、罪はない。しかしこの校内裁判、表面上は大出くんが柏木くんを殺害したのかという事が争点になっているが大事なところはそんなとこじゃない。

柏木くんがサイコパス過ぎる

柏木くんが飛び降りるまでの神原くんとのやりとりを見る限り、柏木くんが飛び降りてめでたしめでたしやないかと思えてしまう。それほどに柏木くんの言動は酷い。人を思いやる気持ちが一切ない。人の意見は聞かず、自分の主張ばかり。
柏木くんが潔癖でほんの少しの嘘や偽善、悪意も許せない子なのはわかる。多感な思春期であれば、そういう考え方をするのかもしれない。僕はしなかったが。ただ、柏木くんがこんな死に方では消化不良ですわ。もう少しなんとかならなかったのか。
これじゃ、神原くんはどこも悪くないと誰もが思うはず。なんでそれで、こんな大がかりな裁判までして自分を裁いてくれと言っているのかちょっと理解が出来ません。

神原くんを地獄巡りさせた先に柏木くんはなにを期待していたのか?地獄巡り前の神原くんは柏木くんの言う事に共感していなかった。地獄巡りをさせて神原くんが自分の考え方に同調してくれるのを柏木くんは期待していたのだろう。要は共感してくれる友達が欲しかっただけの寂しがり屋さんだったんではないかと思うんですよ。
しかしながら、劇中の柏木くんのいちいちイライラさせてくれるセリフばかりのせいで、嫌な奴が勝手に世界を悲観して自殺しただけにしか見えないのが残念に思いました。

悪い事をしたと人前で認めること

構内裁判を経て、神原くんは柏木くんを死なせたのは自分だ、捌いてくれと告白する。涼子もそれに対し、自分は樹里と松子がいじめられている場に遭遇しながら助けに入らなかったという事を告白する。2人は自分の罪を人前で認めた。非常に勇気のいる行為だと思う。この2人は裁判が終わった後、どことなくすっきりした表情をしている。ひとつ人として成長したように見えるのです。自分の罪を認め、受け入れることで人は成長していくんだなという風に思いました。

裁判後の校長先生と田畑智子演じる刑事との会話も胸にこみ上げてくるものがあります。立派な校長先生です。
担任の先生もよく裁判で、あそこまで正直に喋ったなと感じました。

消化不良な部分

先ほど書いた通り、柏木君のサイコパスっぷりに神原くんの裁いてくれはやばり違和感です。そして偽証をした三宅樹里。最後の最後で松子の遺影の前で泣きますが、この娘の未来は相当不幸だなと思いました。母親はどうしようもない屑、たった一人の味方松子を自分のせいで失い、罪を認めることも出来なかった。今後の人生で背負わなければならないものが重すぎます。中学卒業したら絶対、家を出て自活した良いと思います。大出は神原に対して握手をしていましたが、握手する前に殴りかかろうとしました。あれが彼の本性です。おそらくこの先変わることはないんでしょう。

最後に、あれだけ前篇で、担任教師に対して言われなき攻撃をしていたマスコミのヒゲになんの制裁も下らなかったのも納得がいかないですね。

 

まとめると

前篇、後編合わせて4時間が「あっという間に観終わってしまった」という感じです。さすがに最後の神原くんの裁いてくれにはストーリー的に少し無理があるかなと思いましたが、そもそも構内裁判をやること自体が現実離れした設定です。少し消化不良の部分もありますが、全体的には登場人物たちの描写も丁寧で好感の持てる映画です。ところどころで感動するシーンがあるのも良いです。開廷前にざわつく傍聴席の聴衆に向かって塚地が訴えるシーンは目頭は熱くなりました。亡くした娘を弄ぶ真似と裁判を反対していた父親の訴えにグッときました。

この映画を見ると、自分に正直に生きるということがいかに難しい事か、家族、友人がどれほど大切な存在かを考えさせてくれます。

 

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