【映画の感想】『デスノート Light up the NEW world』(2016年、日本)

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いつからだろう?マンガ原作の映画化で駄作邦画を量産し続けるようになったのは・・・。だが、しかし。その中でも2006年に公開された藤原竜也主演の前後編『デスノート』は最後のクライマックスが原作とは違い、映画オリジナルのエンディングだったにも関わらず、僕はすごく面白いと感じた。

今回、そのデスノートの続編と言うことで、東出昌大、池松壮亮、菅田将暉の3人による6冊をめぐる完全映画オリジナルストーリーの『デスノート Light up the NEW world』を鑑賞してみた。

前作の藤原竜也の『デスノート』が面白かっただけに、いったい6冊のデスノートでどんな頭脳戦を見せてくれるのか?とかなり期待して観たわけなのだが・・・。

まあ、微妙だった。がっかりした。

オススメ度:★★★★★☆☆☆☆☆ ★5点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

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どんな話なの?

夜神月(藤原竜也)とL(松山ケンイチ)とのデスノートを巡る壮絶な戦いから10年後、死神界から人間界に6冊のデスノートが放たれた。

死神ベポの所有するデスノートと死神の目(相手の名前と寿命を知ることが出来る力)を使い少女が通りすがりの人を次々と殺していく大量無差別殺人を引き起こす。

この事件をきっかけに現在、世界にデスノートが6冊存在していることが明らかとなる。デスノートのルールには「人間界で同時に存在していいデスノートは6冊まで」とあり、7冊目以降が人間界に持ち込めた場合、デスノートの効力は発揮されない。

かつて犯罪者たちを裁きと称して大量虐殺した夜神月の後継者、新生キラとしてこの6冊のデスノートを全て集め、新世界を創造しようとする紫苑(菅田将暉)。

新生キラの目的を阻止し、6冊すべてのデスノートを回収して誰も使えないように封印しようとするデスノート対策本部の刑事三島。

Lの後継者としてデスノート対策本部の捜査に協力する探偵竜崎。

3人それぞれの思惑が絡み合い、時には対立、協力をしながら激しい頭脳戦を繰り広げる。

 

感想(以下、ネタバレ)

完全オリジナルということで、期待して観たわけなのだけど、今回のデスノートに新鮮味は一切ない。

前作の前後編、そして原作。なぜ、『デスノート』がここまで面白いのか?キラとLの相手の1手2手先を読む頭脳戦があったからなわけで、今回まるでそれがない。

唯一頭脳を使っているのは新生キラの紫苑だけじゃないだろうか?

Lの後継者のはずの竜崎なんかバイクに乗ってるだけで、まったく頭使ってない。常に受け身で相手の出方をうかがいつつ、なにも準備しずに紫苑との待ち合わせに行ってしまうという凡人っぷり。

そう、今回観て激しく思ったのは竜崎が凡人すぎる。

前作前後編のLも原作のLも仕掛けるべきところは仕掛けていくわけで、それでこそ激しい攻防戦となり、キラとL、天才同士の戦いが楽しめるというのに・・・

 

おい、新生竜崎!

もっと頭使えよ!

驚かせてくれよ!

憎まれ口はもういいよ!

 

あと、トリックが今までの使い回しすぎ。

ストーリーを完全オリジナルでやる。それも今まで触れられなかった「6冊ルール」に突っ込んでやるっていうんなら、最後のクライマックスくらいは、新しいトリックで驚かせてほしかった。

竜崎がすでにデスノートに名前を書かれていて、弥海砂に名前を書かれても死ななかったって、それ前作でLが使ったトリックだったと劇中で説明されたとしても、やっぱりそこは今までにないトリックを使わないと!

だいたいね、前作のLは自分自身で名前を書き込んだんですよ。自分の命と引き換えにキラを捕まえるために。でも今回の新生竜崎は他人に自分の名前をみすみすと書かれてるんですよ。新生竜崎、その時点ですでに負けてんだよ。

そしてデスノートに竜崎の本名を書き込んだ犯人が今までデスノートを封印しようと躍起になっていた三島で、デスノートの所有権放棄によって今まで記憶喪失になってたって、それすでにキラが使ったトリックやろ!!

 

お前ら先人のトリック

パクってんじゃねえよ!!

 

結局、前作で使ったトリックをつなぎ合わせて新しい話を作ってみました的な話で、これまでのファンからしたらどうしようもなく物足りない話となっていた。

 

前作から弥海砂(戸田恵梨香)、警視庁の松田(青山草太)が続投しているが、原作から大好きだったキャラクター松田は今作で無駄死に、弥海砂に至っては

 

戸田恵梨香の無駄遣い

 

だと思った。

そんくらい松田も弥海砂も今作のストーリーに不必要な存在。紫苑からしたら別に弥海砂必要なくね?竜崎の名前書かせるのに弥海砂を使う必要性がどこにあった?

 

まとめると、新生竜崎がただの憎まれ口を叩いている凡人だということ、トリックが前作で使われたものばかりで新生キラとそれを追う三島、竜崎との頭脳戦が物足りないという部分が残念なところ。

話の終わり方にしても、せっかく集めた6冊のノートがテロリストたちによって封印を阻止されてしまい、続編をやろうと思えばできるような終わり方をしている。

頼むから、そのしたたかさを脚本に向けてくれ!!

 

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