【映画の感想】『ドント・ブリーズ』 [原題:Don’t Breathe] (2016年、アメリカ)

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なんとなく怖そうで面白そうという理由で、TSUTAYAでレンタルした『ドント・ブリーズ』。直訳すると "息をするな" というタイトルなんだけど、息が出来ないほどの緊張感を味わえるんだろうとワクワクして帰宅。

そしてDVDを手に取り気づいた。あ、僕ホラーとか怖いの苦手だったんだ・・・。

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆ ★7点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

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どんな話なの?

父親がセキュリティー関係の仕事をしていて、防犯システムに詳しいアレックス(ディラン・ミネット)。男にだらしなく仕事もしないクズ母を持つロッキー(ジェーン・レヴィ)。口が悪く下品でオツムが足りないマネー(ダニエル・ゾヴァット)。

経営破綻しゴーストタウン化が進むデトロイトで、アレックスの知識を頼りに3人は日々強盗を繰り返していた。

ある日、マネーから大金を持つと予想される老人の家を強盗しようと話を持ちかけられるアレックスとロッキー。金額の大きさからアレックスは乗り気にならないが、クズ親を捨ててカリフォルニアで妹と暮らしたいロッキーはやる気満々。思いを寄せるロッキーからの説得に渋々アレックスは引き受けることになる。

ターゲットの老人は、元軍人だが視覚障害のある盲目の老人。チョロイ仕事だと考えていた3人だが老人宅に侵入した直後、期待を大きく裏切られることになる。

視覚障害者だとナメていたその老人は、目が不自由なかわりに超人的な聴力と、屈強な戦闘能力、そして殺人もいとわない恐ろしい老人だった。

出口を全て塞がれ袋のネズミになるアレックスたちは、果たしてこの恐怖の老人の家から無事脱出出来るのだろうか?

 

僕はホラーが苦手で、一人で観られるか心配だったが、なんとかギリギリ最後まで観ることが出来た。てか、それなら観るなよって話だけど、怖いもの見たさってあるじゃないですか。観たくなるんですよ、ついつい。

別に幽霊やお化けが出てくるわけではないのだけど、この老人の超人的能力と執念深さが本当に怖くて、アレックス達が家に足を踏む入れてからは息をつく暇がないほど、最後まで緊迫するシーンの連続。かなり疲れる映画だった。

スリラーが大好きだという方なら存分に楽しめるんではないかと思う。

それにしても、観終わった後の後味が悪すぎる。

 

感想(以下、ネタバレ)

この映画では主人公ロッキーを始め、アレックス、マネーの3人は執念深くハンパない強さの老人に襲われる。

ロッキーは恐らく今後一生忘れられないトラウマを植え付けられただろうし、アレックス、マネーは無残にも殺されてしまう。まさに悲劇だ。まだ成人していないであろうその年でここまでの極限状態に置かれ、どれほど辛かっただろうかと思う。

 

ただね、この結果は

どう考えても

自業自得だろう

 

確かにあの老人のいとも簡単にマネーを殺す姿や、執拗に追いかけ、逃げ道を巧みに潰していく姿は鬼畜にも見える。挙句の果てに娘を交通事故で死なせた女性を監禁して子供を産ませようとしていた姿にもコイツがオカシイ、気が狂ってると感じる。

しかしそれでも、この喧嘩を吹っ掛けたのは、ロッキー達3人だ。

その点において、僕はあまりこの3人に感情移入が出来なかった。マネーが殺されてなお老人の金を盗もうとするロッキーには、その金で妹を救いたいという強い気持ちを感じ取れる。そしてその若々しさ、美しさから僕も何度も心が揺れたがやっぱりダメなことはダメでしょ。やっちゃいけない一線を越えている。

アレックスに関しては、ロッキーに恋をしているから結局協力するが、ホントに好きならここは止めてほしい。それに金額の大小じゃなく強盗自体が悪いことだと認識を改めてほしい。

この2人に関しては、アメリカのデトロイトという土地柄や経済情勢についてわからないので、少しばかりの同情は出来る。

 

しかし、マネー。

お前はダメだ

 

冒頭から口が悪く、盗みに入った家で小便を撒き散らすという到底人とは思えぬ知能を見せつけてくれた。お前はサルか。アレックスのロッキーに対する好意も承知の上でアレックスをバカにするわ、とても同情する気になれないほどウンコ野郎だった。

死に際に老人に人数を1人だと最後まで言い切ったことだけは褒めてやる。

 

って言うか、これむしろ盲目の老人の方がロッキー達より被害者なんじゃね?って途中から思えてくるぐらい。冒頭で老人が女性を引きずっているシーンで、この老人はとんでもない悪だって刷り込まれたけど、実際にマネーを殺したのも銃で脅されてるわけで殺らなきゃ殺される状況だったし。

なにより目に障害があるハンディキャップを持った状態で、しかも相手は3人。どう考えてもロッキー達の方が有利な状況なわけですよ。

最愛の娘を殺した女性に子供を産ませるって発想には狂気を感じるけど、でもこの老人の気持ちもわからなくもない。だって最愛の娘を亡くしてるんだから。

そう考えて観ていると、この老人も根っからの悪人じゃないんだよね・・・。

 

ダメだ・・・

どっちにも感情移入

することができない

 

もうどっちにも感情移入できない煮え切らない気持ちになってくる『ドント・プリーズ』だったんだけど、ロッキー達が老人の家に侵入してからの緊張感がハンパない。

別にそこまで血が出たりするようなグロテスクさもなく、僕の苦手な幽霊が出ることもなく、なぜここまで怖いのかと思えるほど怖い。

しかも老人がなにを仕掛けてくるのか?ロッキー達が上手く切り抜けられるのか?最後の最後までずーーーーーーーーーっと緊張して観なければいけない。こんなにずっと緊張しっぱなしで観なければいけない映画は初めてかもしれない。いや、過去に観ているけど忘れているだけかもしれないが。

僕が映画館で飛び上がって両隣の知らない人を驚かせてしまった『呪怨』ですら、ちゃんと休憩タイムがあるというのに、『ドント・プリーズ』には休憩タイムが一切ない。

 

観終わったら後

間違いなく疲れて

ぐったり出来る映画だ

 

最後の最後でロッキーだけ無事お金をせしめて脱出できたものの、あれだけタコ殴りにして地下室に叩き落とし、死んだと思っていた老人が実は生きていたというオチ。

今後盗んだ老人のお金で、カリフォルニアで妹と幸せな生活を送るつもりのロッキーであろうが、決して幸せに暮らせないことだけは想像に難くない。

老人が生きているという事実に一生苦しむことになるだろう。これはお金を手にした代償だ。

 

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