1980年代アーケードゲームの全盛期に少年、青年だった現在40代のオジサマたちをターゲットにしているんだろうと思われる映画『ピクセル』。
残念ながら僕は1980代生まれで、ターゲット層としてはピンポイントではないのだが、十分に楽しめた。
1980年代の当時を知らなかったとしても、一度は目にしたことがあろうパックマンやドンキーコングが出ている今作は大人から子供まで頭を空っぽにして楽しめる映画だった。
オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8点
*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。
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目次
宇宙人が侵略してくる理由で脱力
1982年、ビデオゲーム世界大会が開かれる。主人公のサム・ブレナー(アダム・サンドラー)は決勝戦でエディ・プラント(ピーター・ディンクレイジ)とドンキーコングで対決するのだが、見事に敗れそれ以来落ちぶれた人生を送っていた。
この時のビデオゲーム世界大会の映像を友好のメッセージとして宇宙に送っていたのだが、宇宙人はその映像を地球からの宣戦布告として受け取り、30年以上も経って今さら攻めてくるというお話。
ご丁寧にも映像を研究して、映っていた80年代のゲームキャラクターに模した物体で攻めてくるのだが、そこまで映像を分析できるのであれば、せめてこのメッセージが地球からの宣戦布告でないことくらい気づいてほしい。
とまあ、冒頭からツッコミどころ満載なストーリーのため、この映画がギャグ映画なんだということがすぐにわかり、肩ひじ張らずに気楽に楽しむ映画なんだという心構えが出来る。
アクの強い登場人物たち
この映画に出てくる、登場人物たちはぶっ飛んでる人が多い。
個人的に良かったのが、アメリカ大統領のウィル・クーパー(ケヴィン・ジェームズ)。少年時代に幼馴染のサム・ブレナーとゲーセンに行く時に平然と妹のお金を奪っていたあのクソガキがよく大統領になれたなとオラびっくらこいた。
この大統領のダメっぷりが笑える。地球滅亡の危機という時に呑気に嫁さんと乳繰り合いながらケーキを作っていてマスコミに報道されたり、学校での児童への本の読み聞かせで読み間違いを児童から指摘されたり、そのダメっぷりに愛嬌があり、可愛いオッサンなのである。まあ、大統領としてはダメなんだろうけど・・・。
1982年ビデオゲーム世界大会第3位のコミュ障オタク、ラドロー・レイモンソフ(ジョシュ・ギャッド)が宇宙人の侵略を説明しに大統領の部屋へ訪れた時の、ラドローと大統領、二人の掛け合いも笑いを誘う。
ラドローの行動一つ一つにウィルが拒絶するあのワンシーンはニヤニヤしながら観てしまった。
主人公サム・ブレナーといい感じになる陸軍中佐のツンデレっぷりと兵器開発力もツッコミどころ満載だ。この女性中佐はとにかく仕事が早い。パックマンとの対決の時に車用意してたの見て、あまり表に出してはいないがけど、ブレナーたちと同じくパックマンを知り尽くしたコアなアーケードゲーマーだろと思った。
あとは自分のことをファイアブラスターと呼ぶエディ・プラント(ピーター・ディンクレイジ)。吹き替え版の声優が神谷明の為か、シティーハンターや北斗の拳のセリフをちょいちょい挟んできて、わかる人間には楽しい。
上記、5人でアーケーダーズを結成し、宇宙人と戦っていくことになるのだが、それぞれの個性が生かされている。
最後にブレナーとエディの1982年ビデオゲーム世界大会での因縁に決着がつくところが話として上手くまとまっていて気持ちよくエンディングを迎えられる。
ちなみに登場するキャラクターの中で僕のイチオシは英国の女性首相だ。
たぶんこの映画の中で彼女が一番ぶっ飛んでる。
感想(以下、ネタバレ)
この映画にはドンキーコングやパックマン、ギャラガなど任天堂、ナムコ、タイトーなど日本製のゲームキャラクターがたくさん登場する。しかもそれをソニー配給の元やってるのもすごい。著作権とか大丈夫なンだろうか・・・。
そんなことはさておき、キャッチコピーにもあった「世界がピコピコ崩壊する」さまはあまりにもコミカルなため、シリアスさが一切ない。人が死ぬこともないし、大人から子供まで万人が楽しめる映画だと思える。
少し古臭く感じるところもあるけど、ギャグもポンポン出てきて見てて飽きないし、上述したように1980年代のアニメのセリフをパロッていたり、パックマンの生みの親である岩谷 徹氏が出てきてパックマンに腕を噛まれたり(本人ではない、冒頭のゲーセンでカメオ出演しているが)、ドット絵によるエンディングロールだったりでサービス精神豊富。
観終わった後に共感目的で友人たちとあーでもない、こーでもないと話したくなるような内容だ。ああ!僕は独りで観てしまったが、映画館で友人と観に行くべきだった!!
途中で、ゲームのリセットの話や、チートコードを使ったインチキ話、宇宙人との対決でのライフシステムなど、ゲーム特有の話題も盛り込まれていて、ゲーマーにはビビッと来てしまうところではないか。
1982年のビデオゲーム世界大会でエディがチートコードによるイカサマでブレナーに勝っていた悪事が明るみに出て、ブレナーに謝罪するシーン、そのイカサマの真相をクライマックスのドンキーコング戦で知りブレナーが闘志を沸かせるシーン、ちょっと気持ちが高鳴ったけど、エディはブレナーの人生を返してやってくれと言いたくなる。
かなりストーリーは荒唐無稽で、観た後なんにも残りませんが楽しい映画でした(笑)
エンドロール必見!
ドット絵で映画のストーリーを追う形で流れるエンドロールは、ドット絵に慣れ親しんだマリオ世代の僕にとってはなんとも懐かしい気持ちを思い起こさせてくれる素晴らしい出来だった。
なぜドット絵ってこんなにも魅力的なんだろうかとは思わずにはいられない。
恐らく同じ思いを感じてくれる人が同世代にいるはず!!