こいつぁヤバイ!
"全然期待しないで鑑賞したら面白かった邦画 ナンバーワン2017"と言ってもいいほどの映画を観てしまった。
その映画とは、タイトルにも書いてある通り、北川景子と深田恭子のダブル主演『ルームメイト』。
最近の邦画はつまんないわーとか思っている人に是非とも観ていただきたい映画である。多少ツッコミどころはあるものの、最後の最後であーそういうこと!と納得できる気持ち良い映画だった。
また、特筆すべきところは深田恭子が過去最高に美しい。可愛らしさと大人の女性の妖艶さを兼ね揃えた天下無敵の深田恭子だった。個人的な話で申し訳ないが、若いころにブレークしていた深キョンよりも、この映画に出演していた頃の深キョンが一番魅力的に見える。
オススメ度:★★★★★★★★★☆ ★9点
*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。
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どんな話なの?
交通事故に遭った春海(北川景子)は、入院した病院に勤めていた看護師、西村麗子(深田恭子)。なんでも親身になって話を聞いてくれる麗子から退院直前にルームシェアを持ちかけられ、家族とも不仲で回りに助けのいない晴美にとってはまさに救世主のように思えた麗子の提案を快諾する。
こうして、一人暮らしをする春海のマンションに麗子がやってきて、2人のルームシェア生活がスタートするのだが・・・。
春海と麗子、ずっと一緒にいようと誓った2人だったが、ルームシェアを始めてみると別の顔を見せ始める麗子、麗子はいったいなんのためにルームシェアを春海に持ちかけたのか?そして、なぜ数々の狂気に満ちた行動を取るのか?
ホラーの演出を時折見せながら、最後にすべての謎が明かされる非常に見応えのあるサスペンスだった。
なにより、深田恭子のナース姿の美しさと言ったら言葉に言い合わらすことができない。深キョンはどんな役をやっても演技が同じとナメてかかったら火傷する映画だ。もちろん★9にしたのは深キョンのナース姿が拝めたからだけではなく、話自体が非常に面白かった。
久々に面白い邦画が観れてオイラは大満足。
※重大なオチがあるので、もし観られる方は以降の感想は読まないでください。
感想(以降、ネタバレ)
いや、もう最後のオチにやられた。
何度も使い古されてきたオチパターンのひとつにも関わらず、まったく気づけなかった。
この映画、僕は2013年に公開された時にポスターを見ていて、そのポスターのキャッチフレーズが『女の素顔は恐ろしい』だった。
主人公である春海(北川景子)の目線でもの語りが展開され、たまたま知り合って意気投合した相手、麗子ルームシェアを始めてみたものの、少しずつ麗子の裏の顔が見え始め、身の回りで猟奇的な事件が起きていくというもの。
普通に観ていれば、いったい麗子にはどんな過去があって、どんな女なのか?そして麗子の目的はなんのかって考えながら観ていく。
にもかかわらず、最後の最後で春海と麗子は同一人物で多重人格だったってオチ。
春海が麗子の過去、目的、狂気じみた行動のワケを探っていって行き着いたゴールがまさかの春海ってオチ。
こんなオチ、他の映画でも使い古されているだろって思うのにまったくこんなオチになるなんて気づかなかった。
思えば、犬殺して鍋で煮た後でなぜ春海は逃げないんだ?って、麗子の元同僚の看護師、リカが殺されてニュースで報道されていたデザインと同じ服を麗子が持っているのに気づいといて、なんで同じ空間で生活できるんだ?って思っていた。人殺してるんだぜ?その気になったら、平気でドアぶっ壊して春海の部屋に入ってこれるでしょ!と。
それもこれもこのオチだからだったら仕方ないわって納得してしまった。
それにしても、このオチにまで考えを至らせない工夫がいくつもあって、演出と脚本、そしてキャスティングが優れているんだなと思った。
まず、春海の中に麗子とマリという人格が存在していて、春海を北川玲子が演じるのに対して、麗子とマリを深キョンが演じている。すでに2人の人格を深キョンが演じているために、まさか3人が1人だったという考えになることから遠ざけている。
ちなみに僕の場合、北川景子と深田恭子という2大女優出演なわけで、それぞれにきちんと萩尾春海役、西村麗子役があるもんだという先入観、そして、上述したポスターのキャッチコピー『女の素顔は恐ろしい』による先入観から、麗子の行動動機にばかり目が行き、最後のオチに「まじかよー!」と声を出して驚いた。
特に最後のバーのシーンでマリとなった深キョンが長谷川(尾上寛之)、謙介を襲う様をソファーに隠れて春海演じる北川景子が恐怖に怯えながら見ているという演出は上手い。あの映像を見せられて、春海と麗子、マリが同一人物だなど言い当てられる人間は変態だと思う。
そして、大どんでん返しの後に4人目の存在というくだりも良かった。北川景子と深キョンが同一人物だという事実に面食らった後だったため、少々とっつきにくく感じたが、この4人目のエリに春海の過去を重ねることによって、春海のバックボーンがよくわかるようになっている。
こうして、観終わった後に思い返してみると、この映画に散りばめられていた伏線の数々はほぼ完ぺきに回収したんじゃないかなと思えてくるほど、気持ち良い終わり方をした。そういう意味では、もういちど伏線の確認のために観てみたくなる映画だ。
『若手女優主演の邦画=クソ映画』という僕の腐った考えを改めさせられた1本である。まあ、深キョンはもう若くないが・・・。