【映画の感想】『天空の蜂』(2015年、日本)

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東野圭吾原作の『天空の蜂』を鑑賞した。
本当なら映画館で観たいと思っていたのだが、なんやかんやで観に行くことができなかった・・・。

レンタルを今か今かと待ち続けてようやく借りてこれたのでいつも通り感想を書いてみたいと思います。
まずひとこと言いたいのは、

「面白いから観ろ!」

ってことです。

オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

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原発に対しての問題提起

今年2016年に入ってからは、SMAPの解散騒動だったり、ベッキーの不倫騒動だったり、スーフリ君の育児休暇不倫騒動だったりで、原発の話題が少しずつ消えていっているように思えるけど、だからこそ、そんな時こそこの映画を観て欲しい。

原発に対する問題提起を直球ストレートの160km越えで投げつけている。

原発で作られる電力の恩恵を受けている日本人の多くは必ずなにかしらを感じ、考えさせられる映画だと言える。

原作の東野圭吾はこの天空の蜂の映画化は不可能だと思っていたそうで、その理由が、「原発のタブーに触れすぎているから」だとネットかなにかで読んだ。

観終わって納得した。

東野圭吾の原作を読んだわけではないけど、東野圭吾まじすごいなと思った。

 

で、どんな映画なの?

時は1995年、愛知県の小牧市にある錦重工業で、防衛庁へ納入するはずだった巨大ヘリコプター「ビッグビー」が何者かに奪われてしまう。犯人の遠隔操作と自動操縦により、ビッグビーは福井県の高速増殖原子炉「新陽」の真上で旋回し、犯人が要求する「日本全国すべての原子力発電所の停止」が出来なければ、8時間後に燃料切れを起こしたビッグビーが「新陽」に墜落してしまう。

ビッグビーの設計に携わった技術者であり主人公の湯原(江口 洋介)の息子が運悪く奪われたビッグビーに乗ってしまっていて、息子の救出、犯人は誰なのか?、そして犯人の目的は?というハラハラドキドキな熱い展開が楽しめる。

犯人にも確固たる正義があり、見応えがあり、先にも書いた通り考えさせる内容になっている。

 

 

最も面白い日本映画(以降、ネタバレ)

このブログを立ち上げてから、今まで映画の感想を書いてきたけど、その中で最も面白かった日本映画は間違いなくこの『天空の蜂』だ。

原発云々を抜きにしても、とにかく映画として面白い。終始ダレることなくテンポよく話が展開するし、湯原たち原発サイドの人間と犯人との攻防も面白い。佐藤二朗が出ているシーンでは、必ずなにかしらで笑わせてくれるサービス精神もすごい。

特に印象に残ったのは湯原の息子の救出劇とクライマックスの湯原と三島(本木雅弘)のシーン。

 

自衛隊員のとっさの判断力に脱帽

中盤の息子の救出劇が非常に手に汗握る名場面。巨大ヘリのビッグビーに自衛隊ヘリで近づき、救出用ロープを自衛隊ヘリから撃ち込む。3発持ってきたロープ銃をしっかり2発外して最後の1本で成功するお決まりの焦らしに引き付けられる。他の映画ならこの3本目のロープを撃って成功してハイ終わり!のところをさらに、雲が流れてくるというハプニングにより、自衛隊ヘリのバランスが悪くなり、見事ビッグビーに撃ち込んだロープが自衛隊ヘリのプロペラに巻き込まれそうになるという危機的状況になるのだが・・・。

この時の自衛隊員の己の判断でロープにしがみつき自衛隊ヘリから飛び降りるシーンには、よくやった!と思わず心の中で歓声を挙げてしまった。

そして、さらにそこで終わりではなく息子がビッグビーから落下してしまうという、またもやハプニングが起きるのだが、これまた咄嗟の判断、瞬時の行動で息子めがけて自衛隊員は宙を舞う。高所恐怖症な僕にはとても真似できない。

ここのシーンは本当に緊迫感があり、上空からの映像もあいまって、恐らく僕と同じく高所恐怖症な人なら息が止まる思いで観る事になるのではないかと思う。

とにかく自衛隊員のカッコよさがハンパない名シーンだ。自衛隊基地での訓練の賜物なのだろう。あの判断力と行動力にはただただ頭が下がる。

 

モックンが演じる三島が場を引き締める

江口 洋介が演じる湯原はいつもの江口 洋介で、どこからどう見ても安定の江口 洋介だが、本木 雅弘が演じる三島は原発の人間サイドでは異彩を放つほど異様な雰囲気をまとっている。元同僚だったのもあるのか、湯原に対しては臆することなく、本人にとって痛いところをずけずけと言ってくる。それも物事の本質を突いた正論で。相手に有無を言わさず堂々と正論を叩きつけてくる。きっと湯原でなければ、絶対に人間関係がこじれて職場で浮く存在になるのだが、技術者としての知識とスキルがあるために誰も反論できない。

きっとチェッカーズでもヤックンに対してこんな感じだったのでは?と余計なお世話な事を考えた。

そんなことはどうでもいい!!

とにかくモックンのこの手厳しく人当たりのきついキャラクター、三島のおかげでものすごく話に引き付けられた。そして、警察なのか原発の人なのかちょっとよくわからなかった佐藤二朗のキャラとのギャップで笑わしてくれる。

NHKの日中合作ドラマ『大地の子』は原作者の山崎豊子が当初主人公にモックンを希望してたそうだが、モックン主役の大地の子が観てみたいなと思えるほどモックンが良かった。

そして、結局のところ、犯人の黒幕がモックンだったわけだけど、今までのキャラクター性で悪役にも関わらず、正義でもあるように見えてしまうダークヒーローっぷりもまた良かった。

モックンの主張について、原発の恩恵を受けている人間なら、モックンの訴える原発のタブーは必ず知っておくべきことだと僕は思う。

 

なんか、いつのまにか途中から三島のことをモックンと書いてしまっているけど、もうここまで書き進めてしまったのでそこは大目に見て欲しい。

 

「それでも俺は感謝する」

金のために原発を停止させない政府、原発の恩恵を受けているくせに原発のタブーには目を向けようとしない日本人に対してモックンは怒り狂い己の主張を湯原にぶつけるが、それに対しての湯原のセリフが印象的だった。

「それでも俺は感謝する」

ビッグビーから息子を救ってくれた、自衛隊員、救出作戦を考えた三島、そして協力してくれた原発サイドの人々。彼らに感謝すると湯原は答える。

若干対象としている人間がズレていて論点が噛み合ってないようにも思えたが。

僕にはこの湯原とモックンの構図が、原発賛成派と原発反対派のように見えた。

この映画は、原発の賛成、反対を提示するような内容ではなく、原発の問題点を僕たちの一般ピーポーにもわかりやすく教えてくれた上で、サスペンス、アクション要素をぶちこんだ非常に豪華な誰もが楽しめる映画だと思う。

もし観ていない人がいれば、僕は声を大にして観る事をおすすめする。

 

最後にひとつ言っておきたいことがある

決してこれが理由でこの映画をベタ褒めしているわけではないのだが・・・

 

仲間由紀恵が美しかった。

 

これだけは言っておきたかった。

 

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