マフィアに潜入した刑事と警察に潜入したマフィアの攻防を描く映画『ディパーテッド』。
2002年から2003年にかけて製作された香港映画『インファナル・アフェア』3部作のリメイク版で、日本でも西島秀俊、香川照之主演で『ダブルフェイス』が2部作で2012年にTBSで放映されていた。
オリジナルである『インファナル・アフェア』は観ていないのだけれど、『ダブルフェイス』はかなり面白かった。果たして映画『ディパーテッド』はどれほど面白かったのか?いつも通り感想を書きましょう。
あ、ちなみに『ディパーテッド』を観て、初めて『ダブルフェイス』が『ディパーテッド』と同じように『インファナル・アフェア』のリメイクだと知りました。
オススメ度:★★★★★☆☆☆☆☆ ★5点
*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。
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目次
どんな話?
幼い頃からマフィアのボス、コステロに育てられたコリン・サリバン(マッド・デイモン)は警察学校を卒業し、警察の特別捜査課に配属されエリート街道を突き進む。上司、同僚の目を盗みつつ警察内部の情報を育ての父、コステロに流しまくる。
一方、警察学校で優秀な成績で卒業し刑事になったにもかかわらず、犯罪者の多い家系の生まれであったがためにビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)はコステロの組織への潜入捜査を命じられてしまう。
警察側、コステロ側のお互いに裏切者が潜んでいるところまでは掴めている中で、いったいどいつが裏切り者なのか?どちらが先に正体がばれてしまうのか?『ダブルフェイス』と同じく最後まで非常にスリリングな攻防戦が展開される。
2人の顔が似すぎてる
主役のコリン演じるマッド・デイモンとビリーを演じるレオナルド・ディカプリオの顔が似すぎている。冒頭の警察学校、潜入捜査を命じられるシーンでは若干どちらがどちらなのかわからなくなった。
もちろんマッド・デイモンもレオナルド・ディカプリオは元々知っているし、名前と顔は頭の中で一致している。マッド主演のボーンシリーズは好きだし、ディカプリオの代表作タイタニックでケイト・ウィンスレットのヌードシーンには大変興奮した。
にもかかわらずこの2人を冒頭で判別できなかった。顔の系統が同じで、髪も金髪。判別する方法は顔の縦の長さだ。長い方がマッド・デイモンで短い方がレオナルド・ディカプリオだ。
脇役の2人が素晴らしい
この映画で魅かれたのが脇役のクイーナン警部(マーティン・シーン)とその部下のディグナム(マーク・ウォルバーグ)の2人だ。ディグナム警部役のマーティン・シーンは『アメイジング・スパイダーマン』のベン伯父さんを演じていたのが記憶に新しい。ベン伯父さんの時と同じく、人柄がにじみ出るような人情味のあるキャラクターで個人的に好きな俳優さんだ。今作ではビリーに潜入捜査を命じ、精神を蝕まれていくビリーをなんとか助けようと動く。
そしてディグナムは冒頭からビリーに対して辛辣な態度を取り、過剰なまでに罵詈雑言を浴びせる。そこで浴びせた罵詈雑言のほとんどがディグナム演じるマーク・ウォルバーグに当てはまっているところが笑えた。マーク・ウォルバーグは最近では下ネタを連発するテディ・ベアの映画『テッド』、『テッド2』でテディ・ベアの友人役で出演しています。彼の経歴は以下に乗っています。
感想(以下、ネタバレ)
出演する俳優陣も一流、オリジナルが大ヒットしたリメイク作にも関わらず、大きなツッコミどころがあります。
まず、1番最初に言いたいのがヒロインの女性精神科医、マドリン(ヴェラ・ファーミガ)。コリンの彼女でありながらビリーの担当医という、2人と繋がっている唯一の人物にも関わらず、まったく話の本筋に関わってこない。
どう考えても男ばかりの映画になってしまうため華を添えるため出しました的なキャラクターに感じた。そんなことするくらいなら男ばかりの映画でもいいよ。そりゃ華があることに越したことはないけど・・・。
コリンがマフィアのスパイだと分かってもなにもしないわ、ビリーに渡された手紙は最後まで謎のままだわ、あんたなんのために居るんだよと最後の最後までわからなかった。
クイーナン警部が殺害されたビルのシーンでマフィアの仲間がビリーの正体に気づくシーンがあります。その仲間は銃で撃たれ、死に際にビリーに対して「なぜ喋らなかったか?」と問う。
これが最後まで謎だったのだが、クライマックスのエレベーターシーンで、警察内部にスパイがコリン以外にもいたという事実が発覚する。ああ、なるほどね。コステロの組織にもきっとビリー以外にも潜入捜査員がいてそれがビリーの正体に気づいた仲間だったんだなという考えに至るわけです。
そしてここで最大のツッコミですが、「それならとっくにコステロ逮捕できてるだろ」と。
中盤でビリーがクイーナン警部に必死に訴えるシーンで「もう1年以上も潜入している!」と言っている。コステロはその間に好き放題人を殺して隠れるそぶりも見せない。クイーナン警部とディグナムのコンビがコステロと会っているシーンからも逮捕しようと思えばいつでも手の届くところにコステロがいるということが見てとれる。
どんだけ警察無能なんだよ。
エスカレーターのネタバレの後、冒頭にかかった曲が流れるが、冒頭はすごくカッコよく聞こえていたのが途端に安っぽく聞こえるようになってしまったのは言うまでもない。