【映画の感想】『イレブン・ミニッツ』(2015年、ポーランド・アイルランド)

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国際サミットでの米大統領狙撃事件を8人の視点で追う2008年公開の『バンテージ・ポイント』というめちゃくちゃ面白い映画がある。

『イレブン・ミニッツ』は午後5時から5時11分までの11分間の出来事を出てくるキャラクター達のそれぞれの視点で描くという点において『バンテージ・ポイント』を彷彿とさせるストーリーで、これは面白そうだとTSUTAYAで『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』とともに借りてきたのだが・・・。

結構、ネットでは賛否両論の意見が述べられているが、はっきり言って僕の期待する映画ではなかった。

オススメ度:★★★★★★☆☆☆☆ ★6点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

 

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どんな話なの?

午後5時、時計塔の鐘が鳴り目を覚ますヘルマン(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)。映画監督の面談へと向かった新妻で女優のアニャ(パウリナ・ハプコ)が居ないことに気づき、その映画監督(リチャード・ドーマー)との面談場所であるホテルに向かう。アニャは結婚前は遊び人のビッチだった。不安に駆られその表情は硬い。

一方、その頃ホットドッグ屋の男(アンジェイ・ヒラ)は修道女を相手に言葉巧みにホットドッグを売りさばいている。店じまいをしていると、いきなり少女が現れ「もう出所したの?」と吐き捨て、男に唾を吐き捨て去っていく。

さらに一方、その頃、男女が部屋の一室でエッチなビデオを鑑賞している。

さらにさらに、その頃・・・と午後5時を起点に複数の登場人物たちの何気ない、時には刺激的な日常を描きつつ、ラストの5時11分に向けて話が向かっていく。

果たしてそれぞれのキャラクター達に待ち受ける5時11分に起こる衝撃的な出来事とは?

 

ってな感じの話。

劇中で映画のタイトルにもある”11”という数字になにかあるような演出も見受けられ、またビルをギリギリに低空飛行する飛行機、はじけるシャボン玉など、ラストになにかとんでもなく悪いことが起こるような嫌な予感を駆り立ててくる。

 

感想(以下、ネタバレ)

衝撃のラストを目の当たりにした感想は

 

なんじゃ、これwww

 

だった。

今まで5時11分まで描かれてきた、登場人物たちの何気ない日常、他愛のない会話、そして時には現実にありそうな事故、事件。これまで作り上げてきたリアリティーをぶち壊すかのごとくコミカルでマンガみたいなオチ。

今まで使ってこなかったスローモーションまで使って、観る者を笑わせにきてる。

いや、確かにこのオチは意外性があって面白いかもしれないけど、じゃあ、これまでの意味深なハエのような黒点だったり、強盗に入った青年が見てしまった首吊り死体だったり、不倫しているバイク便男だったり、ストーリー中にどんな落としどころを用意しているのかと期待させておいて、まるでちゃぶ台をひっくり返すようなこのラスト。

結局、なにもかもが収拾されないまま、今まで出てきた人物たちが一堂に会してラストのアニャがホテルから落っこちるというハプニングの玉突きで悲劇に見舞われる。

そしてこれまでの出来事は世界の一部で起こったこと、最後のバスの炎上により立ち上った黒煙を映し出す無数にある監視カメラの1つにあるようにちょっとしたノイズに過ぎないよというようなオチ。

 

冒頭からビッチのアニャと映画監督の駆け引きだったり、そのアニャを心配するヘルマンだったり、登場人物たちの心情などたくさんの ?(はてな) が頭を駆け巡り、サスペンスなのか?それとも群像劇なのか?などと思いながら観ていたけど、こりゃサスペンスでもなければ、群像劇ですらない。

ジャンルにとらわれない超新感覚ムービーだった。

これはなあ・・・アクション映画やサスペンス映画なんかのようにラストにスッキリしたのが観たいという人にはあんまりオススメ出来ない映画ですな。

なんたって、冒頭から1時間に渡って映画いてきた登場人物たちの人間関係だったり、置かれている立場だったり、すべてを洗い流して無かったことにするかのような衝撃のラストなんだから。

ただ、このラストに持ってくるまでに、カメラワークだったり、ラストを期待させるような不安を煽るような演出は良かった。これのおかげで最後まで引き付けられて観られたわけだから。何度か飛行機がビルすれすれを低空飛行で横切っていくカットを入れたり、シャボン玉の破裂するカットだったり、また画家の老人のキャンパスに黒の絵の具を落として、登場人物たちが口にする黒点を暗示させたり。なんで?これはどういうこと?って考えさせ、ラストまでうまく引っ張ってきて、最後にズドンって感じでしてやられた感がハンパない(笑)

ラストまでのクオリティーが高いからこそ、逆にしてやられたって気持ちになってしまうのだと思う。

とは言え、やっぱり万人にオススメ出来るような映画だとは思えない。ネットで賛否両論があるのも、わかる気がする。僕は別に映画通でもない一般ピーポーなので、あえて感想を言わせてもらうとこの映画、

 

満足度は低い

 

この手の限られた時間の中で起こる出来事に対して、スッキリ気持ちよく終わりたいというのであれば、2008年公開の『バンテージ・ポイント』をオススメする。

 

 

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