【映画の感想】実写版『進撃の巨人』(前編)

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ネットで酷評の嵐の「進撃の巨人 前編」を鑑賞してきました。

"人気漫画、アニメの映画化"、"監督、スタッフの炎上騒動"と、なにかと話題の実写版「進撃の巨人」。映画化が発表された時、アニメ人気にあやかれば進撃の巨人というタイトルだけで観客釣れるわーっていう魂胆だろうなあ、お金の匂いがプンプンするわーっと思っていたのですが、怖いもの見たさでどんだけクソなのか観たくなり映画館に。

もし、ネットの評判で観る事を躊躇している方がいるのであれば、言いたい。

"地雷は踏むためにあるんです"

*記事内の見出しに"感想(ネタバレ)"と書かれているところでネタバレしています。

後編の感想はこちら:
【新作映画の感想】実写版、進撃の巨人 エンドオブザワールド(後編)

 

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どんな映画?

漫画、アニメの進撃の巨人の実写版映画。ストーリー、登場人物、設定にかなりの変更点を加えているが、ストーリーの大筋は原作に近い。

~あらすじ~
100年前に突如出現した巨人から身を守るため、人類は3層の壁を築き、その中で生活していた。主人公エレンは友達のミカサ、アルミンを連れて壁を見に行ったところで、巨人が出現し、壁を壊されてしまう。壊された壁から大量の巨人たちが壁の中に侵入し・・・・。エレン達は巨人たちとの戦いに巻き込まれていく。

劇場へ行こうか迷われている原作、アニメファンの方へ

もし、原作、アニメが大好きで実写版でどのように再現されているのか期待されているのであれば、その考えは捨てた方が懸命です。そんな気持ちでこの映画を観に行けば

オススメ度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ★1点

こうなります。

僕も進撃の巨人はアニメから入ったクチですが、原作、アニメ版の魅力的な部分の多くが削ぎ落とされているのがこの映画の特徴です。
参考までに原作との相違点を書いておきます

・エレンが巨人を駆逐したいと思う動機が違う
・ミカサがエレンに執着していない
・壁の外より機械に興味津々のアルミン
・進撃の巨人の大きな魅力、リヴァイ兵長が登場しない
・立体起動シーンにアニメのような爽快感はない
・建物、乗り物が西洋っぽくない

まだまだ他にもたくさんありますが、上記を見れば原作とは別物だということが明白です。

 

オススメポイント

巨人の襲撃シーン

残虐シーンのオンパレードで人間を襲う巨人の描写、迫力はなかなか見ごたえがあります。とにかく巨人が不気味で得たいの知れない雰囲気が良く出ていて、カットによってはホラー映画にみえるところもありました。この巨人の禍々しさは原作、アニメでは味わえないこの映画の魅力です。

お笑い担当のシキシマ

恐らくリヴァイがあまりにも人気で、安易にリヴァイを出すと炎上する事を恐れた製作陣がひねり出してきたと思われる新キャラ・シキシマ。このキャラをどう見せたいのか良く分かりませんが、シキシマが喋るたびに笑いが込み上げてきました。
「悪い、邪魔したか?」は爆笑必至のシーンです。

 

 

感想(ネタバレ)

はっきり言って、デビルマンに完敗ですね。
芝居ダメ、脚本ダメ、映像ダメの邦画界のキングオブ・クソ映画「デビルマン」の足元にも及びませんでした。

漫画、アニメの進撃の巨人とは別物として、純粋に1本の映画として観てみると、そこまで酷いとは思いませんでした。

巨人の登場するシーンはオススメポイントにも書いた通りなかなか良かったです。邦画でこういう映像はなかなか観られないんじゃないでしょうか。

以下、気になる点を。

日本人に原作のキャラ名は合わない

ミカサはまだいい。でもエレン、アルミン、君らはダメだ。シキシマや、ソウダ、サンナギのような日本名を連想させる新キャラを出すなら、エレンや主要人物たちも原作とは違う日本名に変えてしまえばいいのにと思いました。ユウタとかシンノスケでいいじゃん。それが嫌なら炎上必至を覚悟の上でシキシマをリヴァイにして、原作キャラ名を通せばいいのに。冒頭のキャラ名で呼び合うシーンから違和感全開です。

不自然に飛ぶ岩

冒頭巨人たちが襲ってくるシーン。壁を破壊した時に飛び散る岩、岩、岩。
壁の外から巨人たちが岩投げてるんじゃないかってくらいいっぱい岩が飛んでくるのが妙に気になりました。

ミカサのピアノシーン

エレンとミカサの再会でお互いの気持ちが垣間見える大事なシークエンスなのに、シキシマがギャグシーンに変えてしまいます。

「悪い、邪魔したか?」

エレンの顔めがけてリンゴぶつけておいて

「悪い、邪魔したか?」

邪魔する気まんまんやろ。思わず声出して笑って回りの観客シーンとしてて恥ずかしい思いしたわ。
ホント、こういうの制作陣は何考えて作っているんだろうか?これをカッコイイと思っているのならセンスないよ。ギャグシーンでやってるのならもっとわかりやすくしていただきたい。

エレンが薄っぺらい

エレン初登場のシーン、ミカサ、アルミンを前に不発弾を蹴飛ばして「吹き飛べばいい」と言うシーンがあります。お前はバカか?爆発したらどうする?ミカサとアルミン巻き込むぞ!と思っちゃうわけですよ。この時点で、もうエレンに感情移入できない僕がいました。いい歳こいてどんだけ世間知らずの自分勝手なクソガキだよと。

今回、エレンの両親は幼い頃に亡くなった設定です。おそらく巨人への復讐心の根底にあるのは冒頭のミカサが巨人に喰われてしまうところからきているように思われますが、巨人に対する強い憎しみがほとんど感じられないんですよね。訓練兵となり、強大な巨人が襲ってきても、逃げてるシーンの方が多い。ようやく戦う気になってもこれまでのバックボーンが薄すぎて、全然気持ちが高まりません。

この映画版のエレン、大した復讐心も目的意識もないまま、いつ襲われるかもわからない場所に行かされ、好きな女は寝取られ、物理的にも精神的にも追い詰められ、まさに極限状態に陥ります。原作のエレンを演じるより遥かに難しい役です。イケメン俳優使うのは構いませんが、きちんと感情表現の出来る演技に奥行きのある俳優を起用してください。でなければ脚本を見直すべきです。

エレンの「駆逐してやる」が弱い

エレンが薄っぺらいがゆえに、原作のセリフ言わせたいだけやんと思えてしまいます。

エロシーン

冒頭の巨人襲撃のシーンで高鳴った気持ちも、人間ドラマパートに入りどんどんテンションも下がってきた頃にジャンに夫婦と言われていたカップルがニャンニャンし始めます。もういいから話進めてくれよと思っていたら、エレンの発狂を止めた女がなんと人妻と発覚、エレンの手を自分の胸に押し当ててきた。

なにこの萌える展開!

一気に盛り返しましたわ、ここで。今までの人間ドラマパート全てを取り返しにくる勢い。エロシーンに否定的だった僕も、「いや、確かにこの極限状態じゃ、人間は子孫を残そうとするもんな。」とわけのわからない解釈をし始める始末。
僕のハッピーニューイヤーが巨人化し始めた瞬間、巨人に襲われる人妻・・・。

ふ ざ け ん な。

立体起動を使おうとしない訓練兵たち

かたくなに飛ぼうとせず、巨人を斧で切り付け一本背負いをかますサンナギを始め、訓練兵たちは立体起動を使おうとしません。一体なにを訓練してきたのでしょうか?その腰のハイテク機器は飾りですか?その機械、逃げる時にも使えるんだぜ?

 

まとめ

オススメ度:★★★★★☆☆☆☆☆ ★5点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。

とにかく巨人のシーンは映像に迫力があり、巨人の雰囲気もなかなか不気味で見ごたえがありましたが、人間ドラマパートがかなり退屈です。石原さとみ演じるハンジは突き抜けててキャラが立っており見ていて楽しかっただけに、もっと登場シーンを増やして欲しかったです。ハンジ主役でも良いくらい(笑)

エンドロール途中で次回予告が流れますが、どうやらこのまま原作とは別の方向にストーリーが突き進んでいくような感じですね。

しかし、エンドオブワールドって・・・。
いつも思うけど、なんで邦画のサブタイトルっていつも子供映画のようなダサいタイトルばかりなんだろうか。

 

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