相変わらず後編も酷評の嵐、実写版進撃の巨人。劇場まで足を運んで観てきました。地雷だとわかっていて。
なんでかって?
だって、前編観ちゃったんだもん。
前編の感想:【映画の感想】実写版『進撃の巨人』(前編)
シルバーウィークの夕方に観に行ったのに、映画館の客席が8割空いている状態でした。
ダサいサブタイトルのエンドオブザワールドは邦画界の終わりを意味するほどのつまらなさなのではないかと期待に胸を膨らませて観に行きましたが、割と面白かったです。
楽しむために必要な条件はただ一つ「原作とは別物ということを受け入れる」ことです。
前編の感想でも書きましたが、この実写版 進撃の巨人は、原作・アニメファンに楽しんでもらおうというサービス精神は一切ありませんので、別物として観てください。で、なければ満足度はかなり低いです。
オススメ度:★★★★★★★☆☆☆ ★6点
*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の最後で見出しに”感想(ネタバレ)”と書かれているところでネタバレしています。
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目次
どんな映画?
実写版「進撃の巨人」の後編。超簡単に説明すると、巨人の侵入を防ぐため、壊された壁を塞ぎに行く話です。
なぜエレンが巨人化するのか?壁を壊した超大型巨人は誰だったのか?幼馴染のはずのミカサがなぜエレンに対して冷たくなってしまったのか?なぜリヴァイが出ずシキシマなのか?前編で思った大半の「なぜ?」の伏線をほぼ回収してくれます。
やはり謎な部分が解けるのは気持ちが良いもの、なるほどねと納得が出来ると自然と楽しんで観れるというものです。
オススメポイント
ストーリーはオリジナル
前編はエレンが巨人化するところまで割と原作の流れに沿っていましたが、後編は最初っから原作とは別方向へと突っ走ります。壁を塞ぐまでにエレン達、調査兵団の同期たちが出くわす敵たち、超大型巨人の正体など・・・。前編での伏線を回収しつつ話は進みます。なので、次の展開を楽しみに観られました。
シキシマの痛さが快感になってくる
シキシマの一挙手一投足、なにもかもが痛々しくて笑いにしかなっていないと前編を観て僕は思っていましたが、後半のシキシマ、やっぱり痛々しいんだけど、僕の感覚が麻痺してきたのでしょうか。だんだん観ていて気持ちよくなってきちゃいました。
シキシマは後編のキーマンです。
感想(ネタバレ)
ストーリーは面白い
エレン、シキシマ、國村隼人、3者のそれぞれの思惑で三つ巴の戦いとなる話は面白い。冒頭に人類の味方と思っていたシキシマがなんと人類をぶっ壊そうとしているのには、オラびっくらこいたわ。
それぞれの主張はこうだ。
もうこれ以上、巨人によって誰も死なせたくない緋村剣心なエレン。
壁の中を支配している人間が悪だ。そいつらを巨人に襲わせる為なら犠牲をいとわない夜神ライトなシキシマ。
壁こそが全て、壁による人間の支配に執着するムスカ大佐な國村隼人。
この3者が巨人となって戦うのは良いアイデアだなあと思いました。
國村隼人の巨人化により超大型巨人の正体がわかり、2年前に壁を壊した犯人がこいつだとわかった時にストーリーがこれで繋がったーと気持ち良かったです。
しかしながら、それぞれの主張は、自由を手に入れる上で根本的な解決になっていない。
本質的な問題は解決されていない
この話の目的は自由を手にする話だったはず。そしてエレンは前編で言った。「巨人を駆逐してやる」と。
後編では壁を壊した超大型巨人を倒した。そして壁を塞いで巨人の侵入を防げるようになった。でも、これで終わりじゃないだろうと。それだけなら、前編冒頭と同じ生活が出来るようになっただけ。そうじゃないでしょ?壁の外に行ける自由、どこにでも住める自由を手にしたかったんでしょ?巨人を駆逐するんじゃなかったの?
また、壁の中の政府の黒幕は誰なのか?まさか國村隼人じゃないでしょう?いや、國村隼人なのか?シキシマの最後の行動を観ると國村隼人が黒幕な気がしないでもない。そこんところもっとハッキリしてほしかったです。
結局、自由は手に入れていません。
巨人vs巨人のバトル
前編では人を喰いまくっていた巨人。後編はそういったシーンは冒頭のあらすじくらいにしかなく、エレン巨人vsシキシマ巨人、訓練兵vs超大型巨人のシーンがメインになります。ただ、この戦闘、目新しいものがなくて前編に比べると退屈に感じてしまいました。前作であった巨人の不気味さは皆無、そこは残念です。
まさかの現在から100年後の近未来が舞台
巨人がどのようにして、姿を現したのかをシキシマが映像で見せてくれる。巨人化する瞬間の人間の映像にはコンビニが映っていた。この突拍子もない設定は個人的には良かったです。
シキシマ隊長の作戦には大事な部分が欠けている
人類最強の痛々しい言動を繰り返すシキシマ。このキャラクターがなぜリヴァイに出来なかったのかわかりました。
なんと壁を全部破壊して人類を支配している人間を巨人に襲わせようとします。それこそが自由を手に入れることだとのこと。なにもしていない人たちも襲われちゃうけど、多少の犠牲は仕方ない。むしろ今までなにもしてこなかった奴の方が悪いんだと。なるほど、それじゃ多少の犠牲は仕方ないね。でも、それを実行した後どうするの?巨人たちはどうするの?その先の事教えてくんないと賛同出来ないよ。
石原さとみの無駄遣い
前編でも書いた通り、ハンジ役の石原さとみ最高です。
でもね、ストーリーにあまり絡んでいないよね。本筋に全然絡まず、都合の良いところで登場してきます。トラックの運転、途中でアルミンに代ってるし、やる事ないのか、いつの間にか興味の対象が巨人ではなく武器に変わっていましたし。これだけ、原作のストーリー無視してやるなら別にハンジいらないんじゃないですか?石原さとみの無駄遣いです。
なにが残酷なのか
たしかにストーリーは良かった。実際観終わった後、「もう終わったのか、時間早く感じたな。面白かったからかな。」と思いました。しかし気づいた。これ上映時間87分やないか!前編のあらすじもあったから実際もっと短かったのか。こんなんだったら前編の退屈な人間ドラマパート省略して1本にすればいいのにと思ってしまいました。
ポスターのキャッチコピーにもあった『この世界は、残酷か。』
1本で済むものを前後編に分けて上映して3600円もチケット代取る方がよっぽど残酷です。
まとめ
冒頭でも書いた通り、割と面白かった進撃の巨人 エンドオブザワールド。
予算が足りないと愚痴ったり、映画批評家を試写会になぜ呼んだんだと叱責したり、こういった醜い行為を行わなければもうちょっと好意的に観てくれるお客さんが増えたんじゃないかと思える実写版、進撃の巨人。
その点が非常に残念な映画です。