【映画の感想】『ドラえもん のび太の恐竜』(1980年、日本)

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『ドラえもん のび太の恐竜』を久しぶりに鑑賞した。子供の頃に何十回も観たはずなのに、時の流れとは残酷なもので、「のび太たちががピー助を連れて恐竜の生きていた白亜紀に行く」くらいのあらすじしか言えない状態になっていました。

 

まるで新作を

観るような気持ちで

鑑賞することができた

 

ドラえもん映画の記念すべき第1作目であり、もう40年以上も前に公開された映画。にもかかわらず、そこまで古臭さを感じさせず、ハラハラドキドキを味合わせてくれた。

もちろん自分が子供の頃、ドラえもんを観て育ってきたために思い出補正も大きくかかっているとは思うけども、様々な意味で傑作だと思ったのだったのだった・・・。

 

オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10点

*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。

【ドラえもん のび太の恐竜(予告)】


 

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どんな話なの?

スネ夫の家にティラノサウルスの化石の標本を見にきたのび太たち。しずかちゃんとジャイアンは見せてもらえるものの、のび太はまともに化石を見せてもらえない。

意地悪されたくやしさも相まって、スネ夫たちに「爪の化石くらいでなんだ!僕ならまるごと恐竜のまるごとの化石を発見してみせる!」と宣言するのび太。しかも見つけられなかったら「鼻からスパゲッティを食べてみせる!」とまで啖呵を切ってしまう。

いつも通りドラえもんに泣きつくのび太だが、あまりの無茶振りにドラえもんも取り合ってくれず。自力で恐竜の化石を探す出すのび太だが・・・。

のび太たちがフタバスズキ竜のピー助と白亜紀の恐竜の時代を大冒険する「のび太の恐竜」は、2006年にリメイク、2020年に「のび太の新恐竜」としてリブートされている。比較して観ても面白いし、1980年から40年にも渡って毎年公開されているドラえもん映画の記念すべき第1作目として観てみるのも面白い。(2021年はコロナ禍のために1年お休みになってしまったのが本当に残念)

 

 

感想(以降、ネタバレ)

子供の頃から慣れ親しんだドラえもんッ子だったので思い出補正もあるだろう。でも、それを差し引いても・・・

 

やはり

ドラえもん映画は

面白いッ!

 

これが率直な感想。

今テレビで放映されているドラえもんとは声も違うし、ドラえもんものび太もけっこう辛辣なセリフを吐く。しずかちゃんがスネ夫をスネ夫 "さん" ではなくスネ夫 "くん" と呼んでいたり、のび太くんの部屋の間取りが違っていたり、しずかちゃんのおっぱいが見られたり。

40年前以上も前の作品だから絵柄も若干古臭いし、CGもない。恐竜ハンターの目玉ドローンの演出がこれでもかと言うほどくどいし、タイムマシーンの移動シーンは精神的に不安にさせられる。

 

だけど、

ストーリーは

抜群に面白い

 

のび太がピー助を孵化させて育てるが、成長と共に巨大化していくピー助を現代では育てていけないことを悟り、白亜紀に連れて行くまでの前半パート。

のび太のことを親と思って慕うピー助と、ピー助を自分の子供のように育てるのび太。成長して家で飼えなくなったために、公園の噴水でピー助を育てるも、これにより限られた時間しか会えなくなってしまう。体が大きくなったとは言え、まだまだ子供のピー助はずっと親であるのび太と一緒にいたい。

公園の噴水で雨の中、のび太とピー助が別れるシーン。そして耐えられなくなってピー助がのび太の家にやってくるシーンは泣かされる。さらにはその後の白亜紀へ連れて行ってのピー助の別れ。

 

涙腺崩壊必至

 

今の時代であれば、形式的ないかにもお涙頂戴の演出がされるのだろうけど、1980年版「のび太の恐竜」はここら辺の展開があまりにも唐突でサッパリしているので、ある意味新鮮な感じがする。過剰なお涙頂戴演出は嫌いなので、僕はこっちの方が好き。

しかし冷静に考えてみると、この白亜紀へとピー助を連れて行って別れるシーンは、ピー助の立場に立って考えるとかなり残酷なシーンに思う。まったく知らない世界に連れてこられて、仲間がいるのかどうかもわからない場所でいきなり1匹だけで置き去りにされてるんだから。

・・・

そして白亜紀に連れて行ったピー助の置いてきた場所が、本来フタバスズキ竜が生息していた場所(日本のあった位置)ではなく、遠く離れた北米大陸だったと判明し、ピー助と共に白亜紀を冒険する後半パート。

白亜紀の恐竜たちと出会い、恐竜ハンターたちとの追いかけっこが繰り広げられるのだけど、「現実の世界では出会えないもの」、「悪者との戦い」の要素は記念すべき第1作目から脈々と引き継がれてきているのね。

定員オーバーによってタイムマシンの空間移動装置が壊れて、過去や未来への時間の移動はできるけど、場所の移動が出来なくなったっていうドラえもんの話に「タイムマシンにそんな設定があったのか!」と驚いてしまった。

しかもそれで編み出した元の時代に帰る方法も突飛で面白い。

「日本ののび太の家の引き出しのあるところまで行けば元の時代に帰れる」って

 

そんな馬鹿なwww

 

しかも北米大陸から日本ののび太の家までどうやって帰るのか?移動手段を話し合って出される結論がタケコプターという無謀っぷり。スネ夫が「ラジコンみたいに休み休み使えば長持ちする」とか言い出してドラえもんが賛同するんだけど、北米から日本まで800km。休み休み使ったところでどうにかなる距離じゃない。

 

22世紀の

バッテリー技術

どうなってんだ

 

ま、実際には「桃太郎印のきびだんご」で恐竜に乗せてもらったりしていたけど、そこはさすがドラえもん映画。ティラノザウルスやプテラノドン、ブロントサウルスなどの恐竜と出逢いつつ、キャンピングカプセルで寝泊まりしながら、日本を目指す旅が描かれる。

中でもプテラノドンの群れに囲まれて絶体絶命のピンチに陥るときのハラハラドキドキ感は大人になった今見てもたまんない。そしてこのシーンから、今まで不気味で謎に包まれていた恐竜ハンターが本格的にストーリーに関わってくる。

 

ってか

お前ら組織だったのかよ!

 

こいつら捕まえた恐竜を未来で売り捌いて金儲けしているそうだけど、そのために白亜紀にとんでもなく設備の整ったアジトを作り上げてやんの。どんだけ荒稼ぎしてるんだ。

人間にとっても懐いているという理由でピー助を狙っていたけど、冷静に考えてみればピー助がのび太にあそこまで懐いていたのは、鳥とかと同じで卵から孵った時に目の前にのび太がいたからで、刷り込みが働いたのだと思うんだが・・・

そんなに人に懐いた恐竜欲しいんならさ、卵拾ってきてそれを孵してあげればよくね?

 

恐竜捕まえるより

簡単だろ?

 

恐竜ハンターたちは最終的にピー助なんかどうでもよくなって、のび太たちがティラノサウルスに食べられるところを見ることを優先させるクズっぷりを発揮するが、そのティラノサウルスはのび太たちが旅の途中で「桃太郎印のきびだんご」で手懐けたティラノサウルスであり、最新鋭の設備の整ったアジトで大暴れされた挙句、タイムパトロールに逮捕されるというアホっぷりを見せてくれる。

てか、本気でピー助が欲しいんだったら奪えるチャンスなんていくらでもあっただろwww

その点から言っても、わざわざアジトにのび太たちを連れてこようとしていたことから、こいつらの1番の目的はティラノサウルスが人間を食べる残虐シーンを見ることではないだろうか。

・・・

色々とツッコミどころはあったけど、それを引っくるめても最初から最後まで楽しんで観られるのがドラえもん映画のすごいところ。

最後のピー助がメスのスズキフタバ竜に気を取られている隙に、のび太がタイムパトロールの隊長に出発を促すシーンはグッとくる。そして、前進するタイムパトロール船をピー助がずっと追いかけてくるところも良い。

元の時代に戻ったのび太がピー助と一緒に遊んだバレーボールをピー助を想いながら抱きかかえて眠り、そのバレーボールが月へとフェードアウト、フェードインするシーンでハッと気付かされる。

なぜいつもピー助が月に向かって鳴いていたのか?のび太との思い出のバレーボールのつもりだったのね!

 

なんという

気持ちのイイ

ラストなんだ!!

 

 

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