予告編の一幕でマイケル・ケインが主人公とおぼしき青年に犬の名前を質問している。
”ジェームズ・ボンド?”
”ジェイソン・ボーン?”
そして青年は答える。
”ジャック・バウアー”
このワンシーンでキングスマンを観る事を決意した。
オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10点
*★10点が満点。点数は管理人の個人的点数です。異論反論は認めます。
*記事内の見出しに”(以下、ネタバレ)”と書かれているところからネタバレしています。
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目次
どんな話?
どこの国にも所属せず、政治的なしがらみもない民営スパイ組織「キングスマン」。主人公エグジー(タロン・エガートン)の父親はキングスマンのメンバーだったが、ハリー(コリン・ファース)を守りエグジーが幼いころに殉職してしまう。
青年へと成長したエグジーは母親の再婚相手のチンピラにおつかいを頼まれたり、チンピラ相手にしょうもない喧嘩を吹っ掛けて逮捕されてしまったりと、荒んだ生活を送っていた。
そんな中、キングスマンのメンバーの1人が殉職してしまい、その後釜としてハリーはエグジーをスカウトする。エグジーはキングスマンになるための試験を受ける事になるのだが・・・。
果たしてエグジーはキングスマンになることが出来るのだろうか?
この『キングスマン』という映画、今年見た映画の中でもぶっちぎりに面白い映画だった。映像や音楽、そしてスパイの使うガジェットの数々、映画の至るところに遊び心があって、あっという間に2時間が過ぎてしまう、そんな映画だった。
個性的なオジサマたち
もうね、出てくるオジサマたちがカッコいい&面白い。キングスマンのベテランメンバーであるコリン・ファース演じるハリーを筆頭に、キングスマンを取り仕切るアーサー(マイケル・ケイン)、キングスマン候補生たちの教官マーリン(マーク・ストロング)、そしてアクの強すぎる敵役リッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)。
キングスマン(サミュエルは除く)としても俳優としてもベテランのこの4人が画面に映っているだけで楽しい。
その中でも目を見張るのがハリーのアクションシーン。見た目の年齢からは想像がつかないほどのキレッキレのアクションに思わず目が釘付けになった。いったいどんな風に撮影したのかが気になる。CGではなさそうだし。
中盤の教会でのアクションシーンは本当にすごい。ハリー最大の見せ場と言っていい。
そしてこの4人の中で一番僕がツボにハマったのはキングスマン候補生の教官役、マーリンことマーク・ストロング。是非ともラストのエグジーの行動に対するリアクションは見逃さないで頂きたい(ちょっとエッチなシーン)。マーリンのリアクションのおかげで高い満足度を持ってこの映画を観終えることが出来た。
心をくすぐるスパイグッズ
スパイ道具としてキングスマンに出てくるスパイグッズたち。予告編でも出てて目に留まるのが、傘型の銃。開いて敵の銃弾を防御し、発射する。
子供の時に見ていたらきっと学校で真似していたであろう。大人になった現在でもこんな傘あったら欲しい、魅かれるわ!
傘以外にも、靴や腕時計、万年筆などの日用品に毒や刃物や爆薬を仕込んでいて、他のスパイ映画をインスパイアしているであろうスパイグッズたちだけど、そのどれもが魅力的なアイテムに見える。
挿入曲にしびれる
映画に挿入されている曲がめちゃんこ良い。結構古い曲もあるんだけど、すごく印象に残る曲ばかり。映画を観てここまで音楽を意識してしまう映画はそう多くはない。
観終わった後、KC and the Sunshine Bandの『Give It Up』をついつい鼻歌交じりに口ずさんでしまうほど。
あまりにも音楽が良かったため、気に入った曲をYOUTUBEで流しながらパソコンを触っている。キングスマンを観て僕が気に入った曲を3曲ピックアップしてYOUTUBEの動画をまとめてみたので気になる方はこのまま読み進めてください(笑)
感想(以降、ネタバレ)
もうね、最初から最後まで面白い。最初から最後まで退屈するシーンがありません。衝撃あり、裏切りあり、緊張感あり、感動あり、そしてクライマックスに大爆笑ありのまさにエンターテイメント映画だ。
話として、エグジーが正式にキングスマンとなるため試験をクリアしていくって話と、冒頭で殉職させられたキングスマンメンバーの追っていたものをハリーが追うという話の2本柱となっている。
また一人、また一人とキングスマン候補生が脱落していくキングスマン試験。寮での水中脱出試験、スカイダイビング試験、バーでの口説き試験、相棒の犬の殺害試験とどれもキングスマンになるために必要な資質の試験の中で、スカイダイビングの試験が個人的には好き。
試験後にクリアしたエグジーの装備にパラシュートが付けられていなかったのかと思いきや、実はちゃんと6人全員にパラシュートが装備されていて、一人だけパラシュートがないというのはマーリンの嘘だったというシーン。
このシーンでマーリンが大好きになった。
試験の始めに死体袋を渡し、第一の水中脱出の試験で一人死んだように見せかけといて、実は全員命を落とさないようにしているという配慮。普段のエグジー達に対する厳しい態度とは裏腹にこの男優しい。
ハリーのパートでは黒幕ヴァレンタインへと探りを入れにヴァレンタインに会いに行くシーンがもんすごい緊張感がある。ヴァレンタインもヴァレンタインでハリーに目をつけGPSで追跡したり、お互いに少しずつ相手ににじり寄っていくところがスパイ映画らしくスリリングだった。
マックのハンバーガーを二人で頬張りながら探り合うシーンは非常に見応えがあった。
そして、この映画の一番の見せ場であろう、協会のシーン。
ハリーが髪を振り乱して、協会内にいる人間を銃、スパイグッズを駆使して肉弾戦も交えながら次々とキリスト教信者を虐殺していくシーンは、結構エグイ。
しかし50を過ぎたオッサンがここまで動けるのかってくらいのカメラ長回しによるキレッキレアクションを楽しめる。しかも音楽がノリノリwww
到底紳士とは思えない形相になったハリーの大量虐殺シーンは、この映画の見せ場でもありハリー演じるコリン・ファースの見せ場。
ちょいとエグイなとは感じたが、結果的に僕は楽しめた。
極め付けはクライマックス、完全に笑わせにきてる。ヴァレンタインのアジトでエグジーが警備員に囲まれ、マーリンの小型ジェットにミサイルが撃ち込まれようとする絶体絶命の大ピンチ。エグジーのひらめきにより、インプラントを爆破するシーン。
イギリスの第2の国歌とも言われる『威風堂々』の曲に合わせ、打ち上げ花火のように次々と上がる(吹き飛ぶ)ヴァレンタインの仲間の頭。もう作ってる側が遊んでるとしか思えないギャグシーンとなっている。
まさかこんな展開になるなんて。良い意味で期待を裏切る変化球で攻めてくるキングスマン。やばいクソ面白かった。
ラストのスウェーデンの王女のおしりも後味のよろしいデザートのようでオラ大満足でした。
キングスマンで気に入った曲
あまりにも流れる曲が良かったので、個人的に気に入ってしまった曲を3つYOUTUBEからご紹介。
教会のシーンでハリーが大虐殺を繰り広げる時に流れる曲
Lynyrd Skynyrdの『Free bird』
映画で流れるのは4:50を過ぎたあたりから
ギターがかっこいいっす。
世界中の人がSIMにより乱闘を起こした時に流れる曲
KC and the Sunshine Bandの『Give It Up』
ビーチで大乱闘を繰り広げるのが脳裏に焼き付いて離れない。映像と音楽とのギャップが面白い。
クライマックス、インプラント爆破の時に流れる曲
エドワード・エドガーの『威風堂々(英語だとPomp and Circumstance)』
この映画最大のギャグシーン。追い詰められたエグジーの思い付き、そしてマーリンの手によってヴァレンタインの仲間たちの頭が次々に吹き飛ぶシーンの曲
くねおの映画情報メモ
監督
マシュー・ヴォーン
代表作として『キック・アス』、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』、最近では『ファンタスティック・フォー(2015年)』の監督も務めている。
出演者
エグジー:タロン・エガートン
ハリー(ガラハッド):コリン・ファース
リッチモンド・ヴァレンタイン:サミュエル・L・ジャクソン
マーリン:マーク・ストロング
アーサー:マイケル・ケイン
ロキシー:ソフィ・クックソン
ヴァレンタインの秘書?:ソフィア・ブテラ
エグジーの母親:サマンサ・ウォマック
エグジーの義父:ジェフ・ベル
チャーリー:エドワード・ホルクロフト
アーノルド教授:マーク・ハミル
ランスロット:ジャック・ダヴェンポート
スウェーデンの王女:ハンナ・アルストロム
ハリー役のコリン・ファースは『英国王のスピーチ』でジョージ6世やってた人だったことに後から気づいた。キングスマンでの熱演からきっと多くの出演作がある俳優さんなんだろうと思っていたけど、意外にも僕が観たことあるのは『英国王のスピーチ』だけ。他の出演作も観てみようと思う。
アーサー役マイケル・ケインはクリスチャン・ベール版『バットマン』シリーズでお馴染み、執事役があまりにも印象的だ。今回はヴァレンタイン側に寝返るというダークさがあり、悪役マイケル・ケインが観れた。
そしてマーリン役のマーク・ストロングは『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』でスチュアート・ミンギスを演じていたという印象が鮮烈に記憶に残っている。情報で回りの人間を手玉に取る相当に腹黒いミンギスとは打って変わって、今回はキングスマン候補生を時には厳しく、時には優しく接する温かみのある男を演じている。
紳士の国、イギリス出身の俳優ばかりですな。まあ、当たり前か。イギリス映画なんだから。