前回から引き続き、弟の結婚式でのサプライズ大失敗エピソードについて書いていく。
1つ年下の弟から結婚式の余興を頼まれ、かねてより考えていた『余興のフリしてサプライズ大作戦!』を実行すべく、僕は行動に出た。
親父と妹が歌い、お袋がピアノ、僕がギターを弾き、弟に一曲『栄光の架橋(ゆず)』を送ろうと計画、お袋と妹を説得出来たものの、親父が歌うことを拒否。
僕は頭を抱えることになったのだった・・・。
前回:弟の結婚式でサプライズ大失敗!僕はまたやらかしてしまいました①『余興依頼快諾編』
目次
新たなボーカル探し
計画が破綻し、他の策を考えなければならなくなった。
親父が歌うことを拒んだため、なぜか妹までやる気をなくしてしまったらしい。残っているのは僕とお袋のみ。歌い手が1人もいなくなった。
お袋がピアノを弾いて僕が歌おうかとも思ったが、それには大きな問題があった。
僕は音痴だ
始めから滑るのを覚悟でやらなければならない。結婚式という大舞台で恥をかくことのを承知でやらなければならなくなる。そもそもこの結婚式の主役は弟だというのに。
弟の結婚式に泥を塗る
兄としてあるまじき行為
即却下した。
だいたい、当初考えていた計画の重要なポイントは "家族みんなで" 弟に歌を送るということだった。現在兄弟3人とも実家を出て、家族バラバラで生活している。その家族が一緒に歌うことに大きな意味があるというのに・・・。
結局、サプライズを諦めてお袋と組んで余興という形で、1曲やろうかと心が傾こうとしていた。
ところがふとした時、名案が思い浮かんだ。
これなら、家族全員で歌うよりもサプライズ色の強い、弟にとってビックリするような企画になる!!
その思いついたサプライズとは・・・
・・・
・・・
・・・
新婦に歌ってもらおう!
電話にて交渉
新婦とはすでに面識があった。
当時から考えて1年くらい前に、別に頼んでもいないのに弟から彼女を紹介してもらい、3人で遊びに行った。初めて会った時の印象は、控え目で気遣いの出来る、明るく可愛らしい女性だった。僕と結婚してほしいくらいに。
ものすごく性格が良い子だったので、お願いしたらやってくれるかなと思って早速妹から連絡先を聞き出してLINEをしてみた。
トゥルルルルルルル・・・ ピコン
拙者「あ、もしもし。お久しぶりです、○○○の兄です」
新婦「あ、お兄さん、お久しぶりです!!」
拙者「今、大丈夫ですか?ちょっと結婚式のことで・・・」
新婦「はい!」
拙者「弟には内密にお願いしたいんですけど・・・」
これまで弟から余興をお願いされて、サプライズを考えるも、親父の謀反によって実現出来なくなったことなど、今までのいきさつをすべて話した上で、歌を歌って頂けないかとお願いをしてみた。
もちろん、結婚式の当日は新婦は死ぬほど忙しい。もしもやってもらうことになったら歌の練習をすることになるだろうし、間違いなく結婚式までの負担も増えると思っていたので、もしも快諾という形でなければ諦めようと思っていた。
ところが・・・
新婦「面白そうですね!やりましょう!!」
うおおおおおおおおお
なんて良い人なんだ!!
僕と結婚してくれッ!!
こうして弟の結婚式に向けて、サプライズ計画が動き出すこととなった。
サプライズプラン、固まる
それからというもの、僕とお袋は時間を見つけてはそれぞれギターとピアノの練習に明け暮れた。
新婦も一生懸命、栄光の架橋の歌詞を覚えて歌の練習をしてくれたようだ。当時、弟からは余興の他にも生い立ちビデオとエンドロールの映像制作も依頼されていたため、Skypeでやりとりをしていた。
そのSkypeのチャットをしながら、新婦とLINEで弟にはバレないようにサプライズの打ち合わせをしていたのが、個人的にはなんか不倫をしているような感覚で(いや、不倫したことないからわかんないけど)ちょっと面白かった。
そんな話はおいておいて、お袋、新婦、そして結婚式場のスタッフさんと電話で打ち合わせをして練りに練り上げたサプライズのプランはこうだ。
当初の予定通り、お袋はピアノ、僕がギターでゆずの『栄光の架橋』を演奏する。最初の歌い出しから曲の2番までを親戚の中でトップクラスの歌唱力を誇る従弟2人に歌ってもらう。そして2番終わりの間奏で新婦が高砂から余興を行っているエリアまで移動してきて、最後のサビを歌い上げる。
途中までお袋と兄貴と従弟がなんか余興で頑張っとるわーって見てたら、サビでまさかの新婦登場!!
弟は高砂から転げ落ちるほど驚くだろう。
そして男泣き、
回避不能の大号泣
間違いない!!
あとは、弟を泣かせられるだけの曲に仕上げるだけ。ちょっとやそっと練習したくらいの学芸会レベルの演奏では絶対に感動させられない。そのため、左手のコードを押さえる指の皮が何度めくれようとも、僕はとにかく練習した。
お袋とお互いに演奏を録音したデータを交換して、互いにダメ出しをしながら仕上げていった。
そして、十分に練習を重ね、結婚式の日がやってきた。
僕はギターを担いで夜行バスに乗り込み、弟の居住区、結婚式の会場となる岐阜へと乗り込んだ。