ギターをやってると、どこかで目にしたり聞いたりすることのある「ギターは弾いていない時に弦を緩める or 緩めない」問題。
今回はこの件について個人的な見解を書いてみたいと思います。
結論を先に言います。
この件、
正解はありません
湿度と個体差によって
反る時は反ります
ただ、僕はと言うと練習後に弦を一切緩めません。別に緩めなくてもオッケーじゃん?って思っています。
ではなぜ「弦を緩めなくてもいい」という考えなのかを書いていきます。
目次
そもそも弦をなぜ緩めるのか?
弦を張る力によってフレットが曲がってしまうのを防ぐためです。
こんな風に。
これを「順反り」と言います。
チューニングされた1弦から6弦までの6本の弦がいったいどれくらいの張力になるのか?
調べてみたら、およそ40~50kgの力がかかっているそうです。
【徹底検証】ギターのスケール(弦長)が変わるとテンション(張力)は本当に変わるのか!? - 島村楽器 ギタセレ(Guitar Selection)ニュース
これだけの強い力が長時間ギターにかかってたら、フレットが曲がっちゃうよ。それを防ぐためにギターを使ってない時は弦を緩めてフレットに負担をかけないようにするべきだ、という考えが生まれたのでしょう。
だけど
ちょっと待って!
ギターのネックが反る原因は他にもある!
ネックが反ってしまう原因には、他にも下記の湿度や温度なども影響してきます。たしかに弦の張力によってネックが反るケースもありますが、一番多いのは湿度によって沿ってしまうことです。
湿度によるネックの反り
ギターは木で作られていて、木は呼吸をしています。なので急激な湿度の変化によって、ネックが反ってしまうというのは有名な話。
湿度が高すぎるとネックが膨張して「順反り」とは逆の「逆反り」になってしまいます。逆に湿度が低すぎて乾燥しすぎるとネックやボディーにヒビが入る可能性も出てきます。
じゃあ、いったいどれくらいの湿度で保管すればいいんだ?って話になりますが、答えは人間が快適に過ごせる湿度である 40%~60%くらいと言われています。
日本は夏は湿度が高く、冬は乾燥するのでなかなか難しいですが、僕の場合は冬に入る前の10月、11月ごろに弦を交換して、指板にレモンオイルを塗って保湿するようにしています。
エレキギター(レスポールタイプ)の弦交換と指板のお手入れ!くねおのやり方と使っているものを解説!
他にも以下のことに気を付けるとよいです。
・エアコンの直風をギターに当てないようにする
・直射日光をギターに当てないようにする
・冬場、あまりにも乾燥するなら加湿器を使う
・長期保存するときギターケースに湿度調整剤を入れておく
温度によるネックの反り
湿度ほど影響は受けにくいですが、ネックが反ってしまう可能性はあります。特に急激な気温の変化はギターにとってよろしくないです。
湿度と同じくギターにとって適正な温度は、人間が快適に過ごせる温度(20~25°)。通年通して同じ温度に保つのがよいとされています。
外的要因の力によるネックの反り
ギターを長時間壁に立てかけて置いていたり、普通やらないと思いますがギターの上になにか物を置いていたりした場合、外側からの力によってネックが曲がってしまう可能性があります。
ギタースタンドなんかでも吊り下げタイプではなく、立て掛けタイプなら少なからずネックにギターの体重分の力が加わっています。
以下の記事でも書いていますが、僕は吊り下げタイプのギタースタンドを使っています。(僕が使っていたのは型落ちして新しいのが出てました)
初心者必見!エレキギターを始めるのに必要な物は?必需品と便利なものをまとめてみました
弦を緩めなくていいと思う理由
それじゃ、ここからは練習後に弦を緩めない派の僕の個人的な見解です。なぜ「弦を緩めない」のか?
理由1.めんどくさい
すんません。どうしょうもない理由で・・・。
1番はこれですね。なにがめんどくさいかって、弦を緩めてたら毎回チューニングしなきゃいけないじゃないですか。いや、もちろん練習前には必ずチューニングするけど、チューニングした時に音が合ってたらちょっと得した気分しませんか?僕だけでしょうか?
もちろん弦を緩めなければ確実にギターがダメージを受けるってことがわかってたら弦を緩めます。その程度の手間でギターを長く使えるのであれば僕だって弦を緩めます。
でも今使っている僕の Burny のレスポールちゃんは買ってからこの4年弦を緩めることなく使っていますが、なんの支障もなく元気に音を鳴らせています。
僕の愛用しているギター:
『RLG-95 HB』Burnyのレスポールタイプを購入!初心者入門用を卒業して3本目のエレキギター!
そこまで
神経質になる必要
ないんじゃね?
理由2.チューニングして張ってあるのがギターにとって正常な状態だから
はい。ここからはもう屁理屈のレベルになってくるかもしれませんが、チューニングしてある状態がギターとして正しい常にあるべき姿だと思うんです。チューニングによってギターのフレット、ボディーに強い張力がかかったとしても耐えられるように設計されているはずです。
最近のギターは1万円やそこらの格安ギターを除けば、作りがいいです。そうそう雑に扱わない限りは簡単に壊れたり不具合を起こさないと思います。
理由3 .いちいち弦緩めてた方がダメージ大きくね?
弦を緩めずに一定の張力がかかってるのと、弦を頻繁に緩めたり締めたりして張力が変動するのではどちらの方がフレットやボディーに負担がかかるのか考えてみると、僕は後者だと思う。
湿度や温度と同じように、張力も一定の力をかけておく方がよいと考えます。
理由4.逆反りはキッツキツに締めなきゃいけないんとちゃうん?
てかさ、弦の張力の強さでフレットが反るってことだけど、それって順反りって言うんでしょ?逆のパターンで逆反りもあるでしょ?
じゃあ、弦をキッツキツに締めてたら逆反りを防げるのか?って話になってくるじゃないですか。そうなってくると、もうどっちでもよくなってこない?
もう1回言うけどさ
そこまで
神経質になる必要
ないんじゃね?
長期保管するときは緩めたほうがよさそう
ちなみに以下の2つのパターンの場合、僕なら弦を少しだけ緩めます。
・ギターケースに入れて外にギターを持ち出す時
・長期間(半年以上)保管する時
ギターを外に持ち出す時は、フレットの指板側になにか物がぶつかったりして力が加わった場合、瞬間的にチューニング時の張力以上の力がかかってしまうのを防ぐためです。(そんなことほぼないけど、念の為)
長期間保管する時に弦を緩めるのは、個体差によってチューニングした状態だと張力が強すぎた場合、気づかない間にギターが大ダメージを受けてしまいます。頻繁に弾いている時は、弾いた時に反りに気づけますが、長期間保管した場合は次に使おうとギターを取り出した時に修理不可能なまでにフレットが反っているって可能性があると考えるからです。
まとめ
さて。長々と書いてきましたが、結局のところフレットの反る1番多い理由は湿度です。あとは、練習中にちょっとギターを立てかけておいて倒してしまったりの事故など。
それに比べたら弦を緩めなかったのが原因でフレットが純反ってしまったなんてのは稀なケースだと僕は思います。
世の中のギタリストには練習後に「弦を緩めるギタリスト」と「弦を緩めないギタリスト」の2タイプがいます。どちらのタイプも間違いではないので、どちらがいいのかという話題に対しては「どちらでもいいと思うけど、私はこっちだよー」っと返すのが仲良く楽しく音楽活動を続けられる重要なポイントです。
どっちも
間違っていないので
相手の考えを
否定しないように
[guitar-ad]